七姉妹のいる空

ナナシマイ

KAC2022 振り返り(前編)

 まずはKAC2022お疲れさまでした。

 無事完走することができてほっとしています。

 お読みくださったみなさま、楽しいお話を読ませてくださったみなさま、ありがとうございました。


 各お話ができた経緯や裏設定なんかを残しておきたいと思ったので、まとめです。


○コレクション KAC2022作品集

 https://kakuyomu.jp/users/nanashimai/collections/16816927861288169646


 正直まだまだだなという気持ちでいっぱいですが、自分なりに目標を考えて、それを達成できたので褒めることにしました。

 なにより去年からの成長が凄まじくて、涙ちょちょぎれます。


 去年はこちら。


○コレクション KAC2021作品集

 https://kakuyomu.jp/users/nanashimai/collections/16816452219416065571


 ね? 成長しているでしょう?




 ハイ、ということで振り返りますね。


①二刀流

 ペレナリスト兼ホデニーカーはかく語りき

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861234175241


 最初だったので、絶対に誰とも被らない二刀流にしたいなと思って考えたのがこれでした。ペレナリストとホデニーカー。グー○ル先生に聞くと該当するのは当作品のみ。やったね!

 ただそうなると今度はペレナリストとは、ホデニーカーとはなんぞや? という疑問にぶち当たるんですよね。

 なのでどこかで本当にありそうな「なんの話かわからないのに会話だけが進んでいく」というシチュエーションを選んでみました。もちろんわたしにも、ペレナリストとホデニーカーがなんなのか、わかりません。

 会話だけで進めていくことで、なんとなく雰囲気出たかな、と思います。


 ちなみに、インタビュアーと部長も裏の顔を持つ二刀流という小ネタ(?)仕込みでした。




②推し活

 彼女は丘へ続く道の右側七十二本目の木を背に日が昇る方向へ大きく十九歩進んだところに生えた木を愛でている。

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861316805194


 見ての通り、長文タイトルをやってみたかったんです。「たしかに話の内容はわかるんだけどね?」というツッコミ待ちで。どうやらスベったようですけれど。

 あんまり推し活にピンとこなかったので、そのままピンときてないけどなんとなくわかる気がする、みたいな女の子の視点で書いてみました。全力で推し活をするネネを一歩引いた目で見ているクク。

 引いてはいるけれど大切な友達ですから、最終的にククは推し活をしてたネネごとセラぽん(ネネの推し。ただの木)を推してる感じになっています。


 舞台は昔の日本っぽいような日本っぽくないような場所です。

 ある程度の年齢に達した女性が村の近くにある丘で祈る、というしきたりのある村。特産物のない貧しい村。

 こういう閉鎖社会の窮屈さをやわらかく受け取ってみたらどうかな、という挑戦でもありました。




③第六感

 砂埃のせいにして

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861475249563


 最初はまったく違う話を書いていました。第六感の育成学校シックス・センス・スクール、略してSSS! みたいなやつ。

 胡散臭い校長の語りによる学校案内、という感じでほとんど終わりまで書いていたのですが、自分で胡散臭ぁ……となったのでやめました。ファイルも削除したのでもうどこにもありません。


 代わりに書いたのがこちらでした。魔女だけど、大した魔法は使えなくて、でも虫の知らせは届いて、愛したら辛いとわかってる相手を愛してしまっていて、みたいな……ありがちですが、そんな不完全な人を書いてみたくなったのです。

 虫の知らせをうまく使いこなせない、というより、都合の悪い虫の知らせは届かなかったことにしたかったのかもしれません。


 キャッチコピーの色が違うのは、今後書く予定のお話の番外編だからです。それも予定している結末とは違う結末を迎えたやつ。

 まだ書いていないお話の訪れない未来のお話ってちょっと意味がわかりませんね。


 舞台は荒れた惑星。人々は楽園を探し旅をしていて、魔女は楽園へ連れていってくれる奇跡の存在と言われている――という世界です。この魔女はポンコツなので奇跡なんて起こせないんですけれど。

 砂の海の孤島に住むポンコツ魔女と辛らつ自律機械、それから諦めっぽい青年による愛のお話。

 いつか書くので、楽しみにしていてくれたら嬉しいです。




④お笑い・コメディ

 ティアラをなくしたお姫さま

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861527421592


 とにかく優しいお話を書きたくて書きたくて震えていたらこうなりました。ルビがとても大変でした。

 これは絵本で読むことを想定して書いたので、ちょっと表現が難しかったですね。

 優しいお姫さまが変なもの頭に乗せてる~! みたいな笑いになればいいなぁと思っていましたが、どちらかというとほっこりニコニコな笑顔を誘っていたみたいです。いいことに違いありませんし、これはこれでよかったなと。


 その昔、即興劇のお題にあった「イェス・アンド」というものが好きでして――まぁその経験もあってイェス・アンドの考えかた自体も好きなのですけれど――、とりあえず肯定で受けとる、それからなにかアプローチする、というやつですね。これを思い出して書きました。

 調べてみたら、心理学とか、コミュニケーションの手法としてもあるようです。

 あんまりやりすぎると説教臭いかなと心配でしたが、ほっこりした、可愛かったと感想をいただけて嬉しかったです。ありがとうございます。




⑤88歳

 枝花の重なる

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861590010629


 普通に88歳を出すのもなぁと思って、「永遠の八十八歳♨ギャフン」みたいな登場人物を作りました。おばさんが「永遠の十八歳☆だよっ」と言うみたいに、青年が年寄りぶる。

 とはいえナナシマイが書いてコメディになるわけがなく(挑戦してみたいなぁとは思ったけれど無理でした)。

 逆の意味で普段とは大きく異なる書きかたをしてみました。

 一文が長くて、思考をだらっと垂れ流したような語り口。できているかどうかはともかく明確にイメージした作品があります。構成もそうですね。傍から見るとふざけてるんだけどそれが彼らにとって日常で、そんななんでもない日常をそのまま切り取ったような感じです。


 舞台は日本です。新宿からびゅびゅんと伸びる私鉄沿い。植物園も実在の場所をモデルにしています。

 去年書いた『かき集めた青』もあの辺りが舞台なのですけれど……まぁ、雰囲気のあるいい路線ですよね。好きだしそれなりに土地勘があるので、ぱぱっと出すにはよい場所。おい楽をするなという声が聞こえてきそうです。


 あ、ちなみにタイトルはこれがいちばんのお気に入りですよ。




⑥焼き鳥が登場する物語

 炭の向こうへ

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861669746816


 焼き鳥と言われるとどうしてもビールを飲みたくなるナナシマイです。こんばんは。

 ってなるじゃないのよぉおお! という気持ちでいっぱいになりながら書きました。焼き鳥が登場する物語? 焼き鳥を出せばいいんでしょ、ほらビールちょうだい。ってなりながら。ホント頑張った。

 しかもラブコメは初挑戦でした。ちょこちょこ小ネタを挟んだので、クスクスしてもらえてたら嬉しいです。


 わたしは焼き鳥でハツがいちばん好きなので、ハツ……ハート、ハートなら恋愛ものかな、と思って考えました。

 それでハツのことを調べていたらどうやら「ココロ」と呼ぶこともあるのだと知って、「ココロが欲しい」と注文する常連さんにドキドキする店主さんが思い浮かんだというわけです。

 脳内と実際とでテンションに差のある店主さんは可愛く書けたかなと思いますし、めちゃくちゃ攻めてるのに気づかれない残念な常連さんも気に入っています。


 あとこれは地球のある世界とは別の世界ですが、物の名前を口にだして読んでみるとなんか似たものを知っているような気がしてなりませんね。ヒンニャージ鳥がかなりいい感じ。

 

 炭の向こうへ、店主さんの思いは届くのでしょうか。そして常連さん、あなたの好意は全部炭に燃やされてるから頑張って!




 長くなってしまったので、ここらへんで区切ります。

 後編につづく。

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