勇者として転生した俺は、無事に魔王城にたどり着けるのだろうか?
八重咲き
1.女神様の転生案内(してない)
(どこだ、ここは・・・)
気づいたら、真っ白な空間にいた。
右を見ても、左を見ても、上を見ても、下を見ても、見わたす限り、白、白、白――白がゲシュタルト崩壊しそうだ。
茫然と辺りを見回していると、いきなり、パンパカパーンとファンファーレの音が鳴り響いた。
そして、一人の女性が姿を現れる。
女性は、ボンキュッボン(死語)という言葉が似合う見事なスタイルで、「傾国の美女」と呼んでも過言ではないその顔に満面の笑みを浮かべ、こう告げた。
『はぁ~い、そこの貴方、おめでとう!』
「は?」
『貴方はこれから、異世界に転生するの!』
「は?」
『そして、勇者となり、魔王を倒す旅にでるのよ!』
「は???」
(い、いやいやいや、まてまてまて。
おめでとう? なにが?
異世界? 転生? 何の話だ?
勇者? 魔王? ゲームの話か?
ていうか、その前にあんた誰だ?
いや、そもそも俺は、どうしてこんなところに――)
と、そこまで考えた途端、ある光景がフラッシュバックした。
横断歩道、子供、トラック――
目の前がチカチカして、たまらず頭をかかえた。
『あ、そうそう。プレゼントがあるから、現地で確認してね~』
『それじゃ、いってらっしゃ~い!』
そこで俺の意識は途切れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます