第44話 デイリー〈経験値〉LV2

 ◇◇◇◇◇


 本日も日が変わるのを待って、日課のデイリー。だが、今日はLV2!どんな感じになるのか?楽しみでもあり、不安でもあり。


 デイリー〈経験値〉!


 ウーー、ワオ!

 同様にダンジョンの部屋に移動したが、LV1のときより部屋が大きい。デカい!


 そして、銀色スライム登場!デカい!

 LV1のときは、通常スライムの銀色版だったが、今回は人間より明らかに大きい!巨大銀色スライムの登場だ!


 とにかく、戦闘モードに突入!


 パシュ!パシュ!


 うん、硬そうだけど、なんとかなりそう。


 パシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュのシュシュ!


 めちゃくちゃ硬い!


 パシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュのシュシュ!


 うわ〜!やっと倒せた!

 って、久しぶりにすごいレベル酔いだ!

 上限なのに、レベル上がったよ。


 自分の部屋に戻されて、体調が回復するまで休憩中。はじめて、デイリー〈経験値〉やったとき以来のレベル酔い。今までで一番気持ち悪い。吐きそう!


 ヒーヒーフー!

 ヒーヒーフー!


 ふう。やっと、回復したので、どうなってるかステータス確認してみた。


 ステータスオープン!


〈ステータス〉

 橘 颯 25歳 探索者LV110

 生命力:3000

 魔法力:1500

 戦闘力:700(+2000)

 防御力:700(+2000)

 瞬発力:700(+2000)

〈スキル〉

 なし

〈隠しスキル〉

 マイ・ダンジョンLV2

  →ルームLV3

  →デイリー〈経験値〉LV2


 なんだってぇ!レベル110になってますけど!上限超えてる……。

 これって、覚醒玉使わずに第二覚醒して限界突破したってことですよね。

 ヤバい。かなりヤバい。

 なんて説明したらいいんですか?

 どうせ、藤堂さんに呼び出される。そのときに相談しよう。もうどうすればいいか俺にはわからない。女性陣には、明日話しておこう。


 今日はもう寝る。無理。



 ◇◇◇◇◇



 プルルルル。プルルルル。ガチャ!


「夜分遅くにすいません。白石です。」


「どうしたの?」


「橘颯さんが、限界突破しました。」


「……。ふふふ。あの子、本当に面白いわね。飽きないわ。明日、呼び出しよ。」


「了解です。失礼します。」


 ガチャ。


 今度は何をしたのかしらね。ふふふ。



 ◇◇◇◇◇



 次の日の朝、案の定、藤堂さんからの呼び出しあり。他の面談もあるのだが、それが終わった後に強制連行です。こちらの都合とか関係なし。



 みんなにも、昨日の出来事を説明。


「えー!お兄ちゃん!それってヤバくない?」


「そう、間違いなくヤバいやつ。すでに藤堂さんの呼び出しがあった。」


「それって、颯もS級になったってこと?」


「うん、たぶん。」


「えー!すごいじゃん!」

「ふふふ。やっぱり、私のフィアンセだわ!」

「そうね。私のフィアンセだもの!」


「ちょっと!静姉も麗奈さんも抱きつかない!

 どさくさに紛れて、朱美さんも!

 若葉が戸惑ってるでしょ!」


「だってね〜!自然にこうなっちゃうから、仕方ないのよね〜!」


 くー!抗えない〜!免疫なさ過ぎ〜!

 スタンディングオベーションが止まらない!

 桜〜!剥がしをお願いします!


「はいはい。1分経ちましたよ。終了です。ありがとうございました。また来てくださいね。」


「「「むー!」」」


 。。。。。



「それじゃ、私たちは今日は撮影だから、行ってくるね!」


「はーい!いってらっしゃい!」


 どーも、最近の進撃のキル○ルズの撮影は、いつの間にか5人組になったらしく、麗奈さんも加わっている。チーフプロデューサー早見とチーフマネージャー堀の仕業らしい。

 基本の立ち位置も大体決まったみたいで、バランスを考えてセンターが静、その両サイドが朱美と麗奈さん、両サイドが桜と若葉という感じらしい。桃、赤、紫、青、緑。

 これは、本当に歌って踊り出すかもしれん……。見てみたいかも。



 ◇◇◇◇◇



 俺も、今日の面談スケジュールを一通り完了して、探索省大臣室に来ています。


「颯ちゃん、咲夜ちゃん、いらっしゃい。」


「藤堂さん!報告があります!」


「でしょうね。詳しく聞いてあげる。」


「実は……。」


 藤堂さんと白石さんには、全てをお話ししました。


「なるほどね。本当に面白いわね。

 もう、颯ちゃんは、すでにS級探索者の登録はされてるからね。それと同時に世界ランキングも1位になったわよ。」


「えー!そうなんですか?やってしまった!」


「そうね。結局ものすごく目立っちゃったわね。ふふふ。」


「どうしたらいいんでしょう?」


「頑張ってね!」


「そんな〜!」


「まあ、限界突破した経緯は伏せておいていいわ。各国から説明を要求されるはずだけど、私の方でなんとかしておくわ。

 それにしても、同じ国で2人のS級探索者が誕生するのは、史上初よ。大ニュース。前例がないから確信はないけど、WSFランキングもいっちゃうんじゃないかしらね。

 銀ちゃんがどうなるか楽しみね。」


 プルルルル!ガチャ!


「今、颯ちゃんもいるからスピーカフォンにするわね。」


 ポチっと。


「がはは!総理大臣のー!宗方だ!

 橘!やってくれたな!感動した!

 世界ランキング1位おめでとう!」


「宗方首相?ありがとうございます。

 でも、めでたくないんですが……。」


「何を言う!すごいことだぞ!

 実はな!さっき、アメリカ合衆国大統領のジョンから直接連絡をもらってな!

 次回のWSFランキングの更新で日本合衆国が1位になることが確定した。ウォー!

 同時に規定上、WSF1位=議長国だ。

 さらに議長国は決議なしで常任理事国入り決定だ!ウォー!

 てっぺん取ったどー!がはは!」


「銀ちゃん!おめでとう!ふふふ。」


「これから、緊急記者会見だ!またな!

 橘!一度、美咲とこっちに来てくれ!」


 ガチャ!


「銀ちゃんは相変わらずね。ふふふ。

 颯ちゃんも忙しくなるわよ!」


 またもや、目立ちたくないはずの颯を中心に激動の予感がプンプンします。


 日本合衆国はWSFランキング1位になり、当初の目標を果たし嬉しい反面、今後の自分のことを考えると不安で涙目の颯であった……。

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