Season2:国家成り上がり編

第26話 それぞれのスタート

 ◇◇◇◇◇


 桜が満開の季節、桜と若葉の探索者としてのデビュー戦。小田原ダンジョンまで、みんなで見送りに来ている。

 当然、表に出るとパニックになるので、早見さんの車の中からのお見送りだが。


「桜!たぶん大丈夫だと思うけど、レベルが上がるまでは、気をつけるんだぞ!」


「わかってるよ。何回言うの?」


「若葉!いってらっしゃい!」


「うん、がんばるぞー!」


 2人は、すでにキル○ルスーツに着替えて準備万端!


「それより、この格好で出るのが、ちょっと勇気がいるよ……。」


「うん、それ……。」


「慣れれば、大丈夫だ!

 たしか、映画でも女性が着てたからな!

 いい感じだぞ!」


「そう言う意味じゃなくて、目立つんだよ。」


「そうそう。同級生もいっぱいいるんだよね。」


 この時期は、新探索者がアホほど集結している。その分、それ以外の探索者は、この混雑を嫌って、自粛する傾向にあるから、普段よりは混雑しないが。


「とにかく、ここで待ってるから、一発クリアして来い!地図は持ったな?」


「うん、大丈夫!」


「じゃあ、気をつけて行ってこい!」


「「ラジャ!」」



 ◇◇◇◇◇



『小田原ダンジョン』を語るスレ part268



 1:名も無き探索者

 ・ここは『小田原ダンジョン』のネタについて語るスレです。

 ・次スレは>>980がお願いします。立てられない場合は踏まないようにしてください。


 2:名も無き探索者

 >>1 

 おつ


 ・

 ・

 ・


 106:名も無き探索者

 今年もやってきましたな!

 新探索者の季節が


 107:名も無き探索者

 >>106

 春ですな!


 108:名も無き探索者

 >>106

 今年もめっちゃおるな


 109:名も無き探索者

 >>108

 その中にキル○ルスーツが2人おるぞ!


 110:名も無き探索者

 なんだとー?


 111:名も無き探索者

 >>109

 こちらも確認!

 美少女2名の模様!

 桃色と緑色!


 112:名も無き探索者

 新探索者です

 同級生のミス桜蘭と準ミスの2人と思われ


 113:名も無き探索者

 >>112

 おー サンクス!


 114:名も無き探索者

 なぜキル○ル?(°▽°)


 115:名も無き探索者

 ダンジョンに入っていったぞ!


 116:名も無き探索者

 >>114

 謎


 117:名も無き探索者

 >>116

 信者?


 118:名も無き探索者

 ツッタカターに写真上がってる

 #キル○ル美少女


 119:名も無き探索者

 >>118

 サンクス!行ってくる


 120:名も無き探索者

 俺もε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘


 121:名も無き探索者

 たしかにキル○ル美少女www


 122:名も無き探索者

 ほんと、美少女!これは追っかけねば


 123:名も無き探索者

 萌え〜!これ新スレ立てるわ


 124:名も無き探索者

 >>123

 頼んだぞ 萌え同志


 このくだりは、毎回発生するお約束のようなものである。たぶん、固定の住人がいる。



 ◇◇◇◇◇



 首相官邸にて。


「なかなか、一筋縄ではいかないわね。

 他のS級国家4国は、裏で結託してるわね。」


「くそー!完全にー!舐めてやがる!

 小国だと思って、完全に馬鹿にしてる!」


「まあ、仕方がない。そういうもんだとあきらめよう。俺がなんとかするしかないだろう。」


「これで、明確な目標が出来たわね。」


「そうだな。世界1位だ!」


「そうだ!世界一の国家代表だー!」



 首相の宗方銀次郎、S級探索者の松田龍作、探索大臣の藤堂美咲は、前日まで世界探索連盟本部(アメリカ合衆国・ワシントンD.C.)にて、世界探索連盟理事会(通称:連盟理事会)に参加していた。


 その臨時理事会にて、日本合衆国のS級国家への昇格決議については、当然、S級探索者が誕生したことにより、承認された。

 だが、常任理事国への昇格については、圧倒的多数を持って否認されたのであった。

 理由は、S級国家としての活動実績がないためということである。

 今までの4国の場合は、同時に承認されていたので、当然、承認されるものと考えていた日本国首相は、最後まで意義を申し立てたが、反勢力が覆ることはなかった。


 そして、この日、3人はチャーター機で帰国し、首相官邸にて、話し合いをしていた。


「でも、あれはまずかったわね。」


「本部の奴らー!

 探索履歴やー!所有者変更履歴をー!全部調べてやがった!」


「橘のことは、すでにバレバレだったな。」


「そうね。ともかく、颯ちゃんと咲夜ちゃんは、早々に正式なNDAを締結しておく必要があるわ。それに、引き抜きを防ぐために、国としてなんらかの契約も必要だわ。」


「それも必要だが、2人は、こちらに取り込むことにー!するぞ!」


「というと?」


「これこれ、こういうことだ!どーだ!」


「それ、勝手に決めていいのか?」


「私はー!総理大臣!宗方銀次郎であーる!」


 こいつ、こういうところはすごいわ!



 ◇◇◇◇◇



「とにかく、2人とも、お疲れ様!

 初ダンジョンは、どうだった?」


「うん、チートすぎてよくわからない。」


「そうそう。明らかに周りと違うもんね。」


「それはよかったな。」


「これで、桜と若葉はD級だな?

 一発ですごいぞ。小田原は、ちょっと遠いからな。次は世田谷か。」


「そうだね。桜ちゃんと若葉がC級になったら、私たちも探索を再開しようと思ってるんだよね。」


「そう。もうそろそろいいかな〜って。」


「お!それは、ありがたいな。桜と若葉は装備のおかげであって、まだまだレベルが低いからな。それまでは、一緒に行ってくれると助かる。ただ、C級は混雑してるから、B級がいいかなって思うけどね。」


「そうだね〜。たぶん、C級はいけるんじゃない?」


「じゃあ、サクッとB級に上げて、レベルアップといきましょうか。」


「うん、ありがとう。がんばる。」


「がんばるぞー!」


「今日は、D級昇格のお祝いで外食するか?」


「「「「賛成!」」」」


「それじゃ、寄り道しちゃいますね!」


 やっぱり、ものすごいチート!

 進撃のキル○ルズ!乞うご期待ください!

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