第22話 千代田ダンジョン①
◇◇◇◇◇
今日は、ついに上級ダンジョンであるA級ダンジョンに入ります。
結構、事務処理が忙しくて先延ばしになっちゃいましたが、それも楽しかったんでヨシ!
初のTV出演やCM撮影も無事?済ませて来ましたよ!超緊張したけど!
今日、A級ダンジョンに向かう探索者は俺1人?みたいです。
全国でA級探索者は114人しかいないので、仕方がないですけどね。まあ、すでに潜ってるんでしょう。中でお会いするかもですね!
ここ、千代田ダンジョンは、地下81階構造の日本最大の地下迷宮型ダンジョンだ!
一応、全てが網羅されているわけではないが、地図も存在している。
これもダウンロード済みです!
ただし、地図に載っていない場所に行った際は、メモしておくように言われた。
まあ、配布された指輪の位置把握効果で、行ったルートは自動的に追加されるみたいだが。
念のために、食料も大量に買い込んで、ルームにぶち込んである。これ大事!
料理できないから、ほぼ冷凍食品なんだけど、最近の冷食はすごいのよ。
あとは、ヒールポーションや解毒ポーションなどの各種ポーションも、リュックに入れてます。これ大事!
こういうとき、スキルが持てないのは超不便なんだよなあ!
早見さんに見送られて、いざ出陣!
ギャラリーもたくさん駆けつけてます。
こういうの慣れないなぁ!
「じゃあ、行って来まーす!」
恥ずかしい……。
◇◇◇◇◇
地下1階。雰囲気はB級と変わらない。
が、油断せずに行こう!
マッピングする訳でもないので、最短最速ルートで行きますよ!81階はとてつもなく長い。
まずは、キラービーだな。でかい蜂!
集団で来るから、羽音が気持ち悪いよー!
◇◇◇◇◇
地下48階。この階では、ひたすらにレッドロックタートルを狩ってます。
「こいつらの甲羅が固え!防御力特化は厳しいな。それに、だいぶ時間がかかるようになってきた。やっぱり、A級は1日じゃ無理か。
時間も遅くなってきたし、無理せず、次の階に降りたタイミングで今日は終了にしよう。」
◇◇◇◇◇
防衛省・探索局の局長室にて。
「局長!橘颯が千代田ダンジョンの地下49階で消えました。」
「何?ダンジョン内のA級探索者に連絡は?」
「いえ、それが、彼から本日出発する前に、夜になって突然位置情報が消えるかもしれないので、そのときは無視してほしい。と早見さんに伝えてあったらしいのです。なので、明日までは様子を見る予定なのですが。」
「ふむ。なるほど。そこに彼の秘密があるということか。」
「はい、そのようです。」
「うむ、わかった。
それにしても、なんていうスピードなんだ。
私たちとは比較にならんな。ふふふ。」
◇◇◇◇◇
ルームでくつろぎ中!
「風呂!ダンジョンで入る風呂は格別ですなぁ!今日は熱めで温泉気分!1人のお風呂は、最高だ〜!足伸ばせる〜!くつろげる〜!」
やっぱり、帰ったら、お風呂は別々にしてもらおう……。 疲れが取れないし、あのままだと俺が貞操を守れる自信がない……。 贅沢な話だけど。(え?守る必要あるの?)
「次飯!やっぱ冷食!坦々麺!店で出てくるクオリティ!昼はおにぎりと唐揚げ!最高!」
でも、やっぱ、戦闘ぶっ続けはしんどい。
日が変わったらデイリーやって、明日は昼まで寝とこ!目覚ましセットと!
◇◇◇◇◇
次の日。
『ちょっと!橘さん!心配したんですよ!』
ダンジョン探索を開始するとすぐに、指輪から、早見さんの怒鳴り声が!
「すいません。たっぷり寝ちゃって。やっぱり、位置情報消えました?」
『バッチリ消えましたよ!秘密にできないんで、局次長にも報告しましたよ。』
「そうですか。帰ったら、いろいろ聞かれそうだなぁ。やだなぁ。」
『仕方ないじゃないですか!こんなの墓場まで持ってけないですよ!もう!
まあ、無事が確認できたんで良かったですけど。今から、また無事を局次長に報告しておきますから。』
そうだな。ありがたい。
「それじゃ、続き行ってきます!」
『はい、無事に帰ってくださいね!無理したらダメですよ!』
「わかりました!」
ほんじゃ、今日は49階から戦闘開始!!
◇◇◇◇◇
防衛省・探索局の局長室にて。
「局長!橘颯の位置情報が昼過ぎに戻ったそうです。」
「そうか。このことは、誰が知っている?」
「今のところ、早見さんだけです。」
「そうか。緘口令を敷いておいてくれ。
帰ってきたら、俺が確認する。」
「わかりました。」
1人称が俺になったわね。
だいぶノリノリじゃないのよ……。
◇◇◇◇◇
地下52階。レッドハーピー。こいつらは飛行しながら、鋭い爪で抉るように攻撃してくる。
こっちが飛べないんで、向こうの攻撃に合わせて、カウンターで倒すしかない。
まあ、スルーしても追いかけて来ないんで、極力相手にしないが、倒しにくいので厄介。
なんか、前方にレッドハーピーのかたまりを発見。めっちゃ集まってるやん。
「あれ?戦闘中か?」
ここまで、探索者と会うことはなかったので、初めて遭遇したかも?男性と女性のパーティだ。女性の方は結構若い。男性の方は年配の方かな。どういう関係なんだろ?
でも、ちょっと、なんか、やばそうな感じ?
「あのー!すいません!
手伝ったほうがいいですか?」
「誰よ!見りゃわかるでしょ!早くこっちに来て、手伝いなさいよ!」
許可もらったんで、手伝いますか。
パシュ!パシュ!パシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!
「こんなもんでいいですかー?」
「何言ってんのよ!全部やりなさいよー!残してどうすんのよ!」
「わかりました。ちょっと待っててください。」
なんか、この人、上からだなぁ!
パシュシュシュ!
パシュ!パシュ!
こいつら、時間かかるからめんどいんだよなぁ……。
。。。。。
「はぁ。これで全部ですかね?」
「すごいわね……。 アンビリーバボ。」
「どなたか存じませんが、誠にありがとうございます。助かりました。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。では、急いでるもので、失礼します。」
「ちょっと待ちなさいよ!」
「はぁ。もう大丈夫だと思いますけど。」
「そうだけど、名前くらい教えなさい!
見たことないけど、A級探索者なの?」
「あー!最近、A級に上がったんで。橘 颯です。」
「へぇ、そうなの。私は、竜崎
この人は、松崎ね。」
「松崎でございます。」
「あなた、パーティはどうしたの?」
「ソロです。」
「はぁ?ソロでここまで来たっていうの?」
「まあ、そうですね。では。」
「ちょっと〜!もう!帰ったら、お礼をするわ。松崎!連絡先を聞いておきなさい!」
「そういうのは大丈夫ですので。」
「そうはいかないのよ!松崎!」
「橘様、申し訳ございませんが、連絡先を。
お嬢様は、言い出したら聞きませんので。」
「余計なこと言わないで!」
「はぁ。だったら、州支社の早見さんを通してもらっていいですか?専属担当ということなので。」
「わかったわ。私たちは、もう引き返すけど、気をつけなさいよ。余計な心配かもしれないけど。」
「ありがとうございます。では。」
良い人なんだろうけど、このタイプは、苦手なんだよなぁ……。
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