第7話奇跡の実

 「…お、オイハジメ?だよな?な、何だったんださっきのは?い、いやおかげで助かった。ありがとうハジメ。」


 「ああさっきのはスキルだよジーク。ただ今見たとおりヤバいスキルだから極力使いたくない」


 「…たしかにさっきの力はヤバかったな。まさかあの神獣・バハムートを一撃で殺っちまうとは……」


 「いや、殺してないから峰打ちだから。」


 「…拳で殴っておいて峰打ちもクソもないだろ?」


 「いいんだよ、ちゃんと手加減はしたんだから気持ちの問題だ。」

 

 「…あれで手加減てどんだけヤバいスキルなんだよ?」


 「だから極力使いたくないの!それよりさっさとその探し物探しに行こうぜ?いつアイツが帰ってくるかわからないし。」


 「ああ、そうだな。それじゃあさっさと山頂に向かおう。」


そして山頂に移動した2人はバハムートが所持?している宝を漁っていた


 「…クソッ、ここになかったらもう時間が…」


 「…ところでジーク、聞き忘れてたんだが一体何を探しているんだ?」


 「…名前はわからんがなんでも言い伝えによるとどんな病や呪いをも癒やす事ができる果実?があるらしい…」


 「…ふーん?待てよ?なんか何処で…」


 『き、貴様ら我の住処まで押し寄せるとは』


声がした方を振り返るとそこには瀕死の状態のバハムートがいた 


 「…ホラ、ちゃんと生きてただろ?」


 「いや、そんな事言ってる場合じゃないだろ?」


 『…小僧、貴様我の宝を見たのか?』


 「お願いします、神獣・バハムートよ。どうか妹の為に伝説の果実を譲って下さい。その後ならいくらでも俺を殺してくれてもいい。だからどうか…」


 『……以前貴様に我の宝をやる事は出来んと言った事は覚えているか?』


 「…たしかに神獣・バハムートの宝を寄越せなど不遜もいいところですがもう時間がないのです。」


 「…違うのだ、貴様の言う伝説の果実 奇跡の実はここにはないのだ。というか恐らく世界の何処にも現在は存在しておらんだろう。我ですら最後に見たのは数千年前が最後だった。だから諦めろと言ったのだ…」 


 「…そ、そんな?…もう…ここが最後の希望だったのに……すまないユティ…不甲斐無い兄を許してくれ…」


 「…あー、ちょっといいかバハムート?アンタの言う奇跡の実ってコレであってるか?」


 『な、そ、それは正しく昔見た奇跡の実。主よそれを何処で?』


 「?主?…コレは俺のスキルで手にいれた物だ。これで問題ないならコレを持って帰れジーク。」


 『主よその価値を解っているのか?それは人の世界なら国1つを買える以上の価値がある物だぞ?』


 「バカヤロー、そんなのダチが必死になっている事と比べるまでもないだろうが!…あと主ってなんだ?」


 「…いいのかハジメ?俺にはそれに釣り合う価値ある物はないぞ?」


 「バカヤロー、こんな物ダチに対価なんか求めるはずがないだろうが!何回も言わせるな!」


 「…スマンハジメ。この恩は必ず返す…」


 『…まぁ主がいいならそれでいい。貴様は良い友を持っているようだな小僧よ。』


 「…いやだからなんだよ主って?」


 『?主は主だろう?この我を一撃で倒してしまう存在など今迄いなかったのだ。それを成した者を主とするのは当然であろう?』


 「いやいやいや、神獣の主なんて無理!面倒事の予感しかしないから。」


 『心配せずとも我は人化も出来るので人にまぎれるなど造作もない事だぞ。』


 「そういう問題じゃねーよ?オイジーク、お前からも何とか言ってくれ?」


 「…スマンハジメ、俺には神獣の意見を覆すなんて不可能だ。」


 『それよりも主よ?何か傷を治す手段はないか?』


 「…いや何有耶無耶にしようとしてるの?…まぁ傷についてはポーションならあるが…」


 『それで十分だ。それを我に譲ってくれぬか?そうすればその小僧の妹の所まで我が送り届けてやれる。時間がないのであろう?』


 「…たしかにしかし10本しかないぞ?」


 『かまわぬ、十分だ。』


 「ありがとうございます、バハムートよ。そしてハジメ、助けてもらってばかりですまないがよろしく頼む。」


 「あ〜もう、そういうのはいいから早く行くぞ?」


 『我に任せておけすぐに送り届けてやるわ。』


そして俺達はバハムートの背に乗りジークの国、クリムゾン王国に向けて飛び立った

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る