音声入力のすすめ
広瀬涼太
音声入力のすすめ
最初に書いておくが、これは、音声入力入門でもマニュアルでも教材でもない。
スマホの機種やキャリア、音声入力アプリの種類などによって使用法はかなり異なっていると思われる。また、パソコンやタブレットを使う人もまた別のやり方になるだろう。
だから一執筆者の音声入力の体験談とで思って気軽に読んでいただきたい。
ただ、詳しくは後の本文中で述べるが、筆者の場合には執筆速度が上がり、効率も良くなったのは事実である。
万人に通じるとは思っていないが、これで新たな選択肢な気付き、少しでも執筆がはかどるようになっていただけたなら幸いである。
◆
自分の執筆方法の一つとして、脳内でアニメのように書きたいシーンを思い浮かべつつ、それを文字におこしていく、という方法をよく使っている。ただしエッセイは除く。
今でこそ自営業であるが、サラリーマンをある程度長いことやっていたせいもあり、パソコンの入力速度は決して遅くないと思う。それでもやはり、脳内で繰り広げられる展開には追い付けない。キャラクター達は楽しくお喋りをしているというのに、もしくは激しい戦いが繰り広げられているのに、入力できる文字数には限りがある。
こうやって入力しているうちにキャラクターたちの会話はどんどん進み、戦闘はいつのまにか佳境に入っている。入力すべき場面はどんどん積み重なり、頭の中で文章が渋滞を起こす。やがて、つい先ほどまで考えていたはずの展開がどんどん脳裏から消えてゆく。
だからといって脳内の展開を途中で中断して入力していると、今度は次の展開がうまく繋がらない。あれ、次に何を言ううんだっけ、味方の攻撃中に敵は何をしていた、などということになる。
そんな経験をした作者の方も少なくないのではないだろうか。
筆者の場合はそれがストレスとなり、気分転換に他のことをやってるうちにそっちに熱中して戻れなくなる、ということも少なくなかった。
◇
人がしゃべる速さで文章が書けるなら速記官はいらないし、速記用の記号なんてものも開発されなかっただろう。
時代は進んで、パソコンからのキーボード入力もスマホからのフリック入力もできるようになったが、やはり脳内の思考速度には追いつかない。
一番いいのは、おそらく言葉にしたものを録音し、それを少しずつ再生しながら文字起こしをする方法だろうか。
ただこんなことを言うのも何だが、実際やってみるとかなり恥ずかしい。自分しかいない部屋でぶつぶつやっているのもなんだか。しかし現代では、動画サイトの配信者の皆さんも同じようなものと思われるので、ただ恥ずかしがるのも失礼に当たるだろうか。
とはいえ自作ライトノベルの朗読、それも未完成とか人に聞かせられるものではない。音声データもうかつに残せるものではない。添付したメールの誤送信などもっての外である。
◆
というわけで、遅ればせながら自分も音声入力に挑戦してみた。
そんなことすでにやっている、何を今更と思われる方も多いだろう。
ただ、カクヨム内で検索してみたが、音声入力をネタにした短編小説を書いている人はいたが、音声入力そのものについて書いている人はまだいないようだ。
だから、エッセイとして感じたことをここに記すことにした。
繰り返しになるが、これは音声入力入門でも教材でもない。
新たな執筆法を模索するうち音声入力にたどり着き、試行錯誤と迷走を繰り広げた筆者の体験談である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます