電話拒否の友達

 最近、私に新しい友達が出来た。彼女はインターネットで知り合った、遠く離れたところに住む少女。


 彼女の顔は送られてきた写真で見たことがあるけど、声は知らない。どうにも電話はしたくないらしい。だからいつもチャットで会話をしていて……。


「今いる?」


 返信は一時間後に返ってきた。


「あ、いるよ」

「もー遅いよ」


「ごめんごめん。こっちは時間にルーズだからさ」

「……ねえ、私たち互いのこと知らないよね? だからさ、そろそろ電話をしたいなあって」


「……できないのよ。電話をするとあなたに迷惑をかけちゃう」

「どうしてもだめ?」


「……仕方ない。本当のことを話すか。じゃあかけるね」


 今さらながら私は後悔した。彼女が電話できないのは、少女になりすました中年男性かもしれないと思ったのだ。


 だから電話をかけれないのだと。だが、そんな不安も携帯から流れた爆音にかき消された。


「何、この音!」

「戦闘機! 軍事基地が近くにあるの! 沖縄!」

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