規則正しくない生活の模範

九日

エイプリルフール

 四月一日午後十時。昨日までならとっくに日が沈んでいたであろう時刻。それが今日は一向に沈んでくれない。お日様はきらきらと輝いて、窓から見える川辺の桜並木を照らしている。桜の木々もそれに答えるように花びらをひらひらと踊らせている。

 おかしいとは思っていた。そんなこと、十八時を過ぎたあたりからずっと思っていた。私はわりと時間にルーズな方だから、お日様も私のようにルーズで今日はのんびりな気分なのだと頭の中で言い訳をした。そう、新年度になったし、焦らず行きたいじゃない?

 そんなことを考えながらベッドの上で横になる。眠たいよ、眠たいけどさ、こんなにもばばーんって明るいと体が昼間だと勘違いして眠らせてくれない。もう嫌だ、明日に響く。羽毛布団に頭のてっぺんまで潜っても光は目の中へ入ってくる。

 ああ、だけど……体に反して意識はだんだんと溶暗してい……く……。

 

 


 ぴんぽんぱんぽーん

『先ほどー、三時間くらい前ー、夜がやって来ないエイプリルフールは終了いたしましたー。よってー、ただいまの時間帯はー、真夜中でーす。深夜でーす。未明でーす。ではおやすみなさーい』

 

 四月二日午前三時。意味のわからない放送とともに明け方に突入した。

 

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規則正しくない生活の模範 九日 @_Hiicha

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