魔術師、異世界をソロで往くⅠ

迷子のハッチ

帝国編

第1章 プロローグ

第1話 プロローグ(1)

「ようこそこの世界に、歓迎する。」いきなり壮年の男性の声がした。

「この世界に名は無い。」

「この世界でどう生きていくのか選べ。」その言葉とともに私の目の前に画面が現れた。


 画面は2分割されていて.

 左に名前が1番上に書かれていて。

 カスミ・ヴァン・シルフィード 年齢10歳、種族 エルヴァン神族。

 と書かれていてその下に.....ちょっと待って! なにこれ!! なになの?


 私の名前はコレジャナイ?…思い出さない!

 私はだれ? ふっと頭が軽くなった。


 『私はカスミ、エルヴァン神族のシルフィード一族最後の一人』

 『そうよ、世界樹から予言されし終焉の混乱の中、託された世界樹の種。』

 『この世界に世界樹を復活させるのが、私の使命』


 私は仲間を集めてレベルを上げ。

 世界樹を育てる理想の地を探し。

 木守りの一族となる私の子孫を育んでいかなければならない。

 苗床となった私を見守る一族を。


 使命に燃え、私が周りを見回すと。

 私の近くには5人の人間がお互いを見ながら立っている。


 男3人女2人。


 私の左側から順に。


 細身な体つきに草色に染めた革と金属布で作った防具。

 帽子、首や肩から足元まで草色の動きやすそうな鎧。

 籠手、ブーツまで草色に染めている。

 武器に弓を持った。

 金髪に青い目の女エルフ。


 次に金属の板で作った頭から足元までの全身鎧を身に着け。

 内側に楔帷子を纏い。

 斧槍と騎士の楯を持った大柄な黒い髭だらけのドワーフの男。

 目は茶色、髪は栗色。


 中肉中背で大剣を背中に背負いシャツの様な鎖帷子に胸から腰までの鎧。

 剣道の腰に巻いている様な金属の小片で作ってる垂。

 足は金属を張り付けたロングブーツ。

 ヘルメットの様な兜とその上から胸元まで金属の小片を縫い付けたフードと籠手。

 それらを身に着けた兵士の様な顎先にくぼみのある人間の男。

 目は赤く、髪も赤い。


 3人の男の中では比較的やせて小柄だけど精悍な顔をした。

 黒革の上下の鎧と靴以外は装備して居ない。

 ナイフを身に着けた黒エルフの男。

 目も、髪も黒色。


 そして私の右手には胸はDカップ?胸から突き出てる!。

 修道女の様な全身を覆う服とフードで身を隠し(胸も腰も隠れてないけど!)。

 杖を持った人間の女。

 目は金色、髪は銀色。


 そして私の画面左側の表示は


名前 カスミ・ヴァン・シルフィード

年齢 10歳

種族 エルヴァン神族

職業

能力値

取得スキル


 右側に装備している物が表示されている。


 画面によると柔らかい革の裏に金属布を使った鎧とフード付きのマント。

 手は手袋と籠手。

 革のズボンに靴下。

 膝上まであるブーツ。

 腰にベルトをしている。


 下着はカボチャパンツみたいなパンツにひざ丈ほどのシュミーズ。

 鎧下として着ている厚手の木綿のシャツ。


 腰のベルトにはベルトポーチが左右に1個づつ。

 背中にウエストバッグの合計3つの入れ物を持っている。

 3つ共ゲームでおなじみのインベントリになっている。


 …ンッ 「ゲーム?」頭にザザーとノイズが走る。


 またふっと頭が軽くなり、兵士の男が話しかける声が聞こえる。


 「みんな、ここに集まったのは何かの縁かもしれないね!」

 「一緒にこの世界でやっていかないか、ばらばらの一人より6人もいれば安心だよ。」

 「俺はアルベルト、よろしく。」


 残りの人がそれぞれ


 「うんそうだよね!あたいのことはリリイと呼んで」と真っ先にエルフの女が言う。


 「わかった、あたしはノルンよろしく」と軽く頭を下げながら、人間の女が言う。


 「うんうん、儂はバルドだ。」とドワーフの男がうなずいたり。


 「僕はエイン よし、やるぞ!」と右手を握ってガッツポーズをしながら、黒エルフの男も言う。


 仲間がいるのは心強いので、私も「私はカスミ よろしくお願いします」と賛成した。


 「じゃみんな、この世界での自分を作るんだ。」

 「画面の名前と歳の下に種族がある、右の画面には今装備しているものが表示されているはずだ、確認して。」


 私が画面を見て考えている間に。


 リリイが「あたいはエルフ」

 バルドは「儂はドワーフだ。」

 エインが続けて「黒エルフだな。」

 ノルンも「人間よ」

 アルベルトが「俺は人間だ。」


 10歳はまずい気がする、小さくても成人していることにした方が良い。


 私は神族を隠して見た目がエルフと同じで、体が小さい妖精族とすることにした。

 すると画面の表示が変化した。


名前 カスミ・ヴァン・シルフィード

年齢 (10歳) 36歳

種族 (エルヴァン神族)妖精族

職業

能力

取得スキル


 「私は妖精族です」と画面に表示されている儘に、最後に言った。


 ノルンが「幼いエルフかと思ってたわ」とボソッとつぶやいた。


 良かった幼いと思われるのが嫌だったので小さくても成人している妖精族にしたのは正解のようだ。(妖精族?、どこから得た知識なのだろう?…)


 「次は職業だ。自分のやりたい職業を選んで。俺は魔法剣士だよ。」


 私は、職業のエリアを注目して見た。

 すると右のエリアの装備表示が消えて、職業の選択肢が表示された。


 魔術、巫女、ドルイド、精霊、使徒、と出た。


 この中で魔術以外は良くわからない、ここは魔術一択かな。(何故魔術を知ってるの?)


名前 カスミ・ヴァン・シルフィード

年齢 (10歳) 36歳

種族 (エルヴァン神族)妖精族

職業 (神聖)、魔術師、長柄術師

能力値

取得スキル


 「あたいは精霊術と弓ね」

 「同じ職業でなければ複数選択できるんだね、僕は闇精霊術と斥候にしよう。」

 「じゃあ、あたしは光と聖と棒術ね」

 「わしは聖騎士一択じゃ、…ん、長柄術師が一緒に表示されたぞ。」


 「私は魔術師よ、…で長柄が出てきたわ」


 あら神聖が魔術師の前に書かれてるわ。

 消せないし魔術師以外は選択もできない。

 神族だから仕方がないのかしら。


 戦乙女を目指して槍とか棒術を習っているからか。(戦乙女?) .....ザザッ!

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