かわいいお願い
なんで貴方は働くの?私はかわいさだけでご飯を食べていけるんだから、貴方もそうしたらいいのに。
世の中は結局、いいえ、究極のところ顔なの。私みたいにかわいくない貴方が働いたところで、何の得にもならないわ。
いくらそう言っても、貴方は仕事を辞めようとしない。何故?私の声が聴こえないの?
何で分かってくれないの?貴方は「行かなきゃ」って、毎朝嫌そうにして会社に行くじゃない。
毎日ここにいなさいよ。それで毎日、私の相手をしなさい。そうすればきっと、貴方も幸せなはずよ。
貴方は私と遊んでればいいの。言いなりになってくれればいいの。
…そう、それでも貴方は働くのね。今日も外へと行ってしまうのね。
いいわ。今日は許してあげる。でも明日は絶対、止めてみせるから。
「じゃあ行ってくるよタマ」
貴方は扉を開けて、外の世界へと出て行く。
「ニャァ」
私はいってらっしゃいと一言鳴いて、腹いせに壁紙で爪を研いだ。
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