俺の幼馴染の恋愛観が狂ってるんだが?

@HISUI_MIS

第1話

この世の中には多くの作品がある。

その中でどのジャンルが多く作られているか…と聞かれたらきっと多くの人がこう答えると思う。


恋愛と。


何故この世には数多くの恋愛物語が存在するのか?

きっと、人々が誰しも一度は夢を見ることだから…だと思う。

人は誰しも初恋を経験するものだ。

そして多くの場合甘く、切ないような恋愛を体験する…そう俺も思っていた。

だが…

「ミチルー!」

教室のドアから俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。

振り返るとそこには見知った顔があった。

ショートカットの金髪。くりっとした目。小柄な身体。

俺の親友にして幼馴染である、高坂美月の姿だった。

彼女はこちらに向かって駆けてくると、そのまま俺の胸に飛び込んできた。

「みーちる!」

「もーなんでいつも一緒に行こうって言ってるのに先に行っちゃう訳ー?」

「ごめんって」

俺はそう言いながら頭を撫でてやる。すると美月はくすぐったそうに笑った。

「えへへ……」

可愛い奴め……。

そんなやり取りをしていると背後から視線を感じた。

振り向くとクラスメイト達が微笑ましそうな表情を浮かべていた。

あぁ……またか。

俺は小さく溜息をつく。

このクラスでは毎日のようにこんな光景が繰り広げられているのだ。

自然とこうなってしまうのは仕方がない…。

「なぁ、お前らさっさと付き合っちまえよ」「お似合いだぜ」

「そろそろいい加減付き合わないとー」

周りからは冷やかしの言葉や野次が飛んでくる。

「ほら、そろそろ行くぞ」

「うん!あ、でもその前に……」

美月は俺から離れるとクルッと回転して皆に見えるようにポーズをとった。

「私達、付き合いました〜♪」

…………。

教室内が一瞬静まり返った後、拍手喝采が巻き起こった。

「「おめでとう!!」」

「ありがとうございます!皆さんのお陰です!」

笑顔で手を振っている美月に男子連中が群がっていく。

「は?」

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