桜が散る夜

興梠司

第1話

君はいつも笑顔でいたね、僕の横で笑っていたっけ。


桜が散る夜


「別れよう」と君がいきなり切り出してきて

僕はどうしていいかわからなかった。


「なんで」って聞いたら君は

「私死ぬの」と笑顔で言った、でも涙を流して居たのは忘れない


彼女は余命3ヶ月宣告を受けていてもう一ヶ月半たっているという。

彼女は「君を死に目に合わせたくない」という


僕は君のためならなんでもやるよと心に誓った


僕らは嵐山高校の生徒で僕は目立たない陰キャ少年だった

彼女は教室でダンスをするような陽キャだった。


突然「付き合って」と言われ駄菓子屋まで行くのかと思ったら

そっちの付き合うではなかった。


恋愛の付き合うの方で僕は驚いた。


僕と君が釣り合うわけがないからやめようと何回も思った。


そんな時「私死ぬの」って言われたらこちらもなんにも

言えなくなってしまった。


「死ぬまで君が好きな事全部しよう」

「僕全部付き合うから」


「本当?付き合ってくれるの?」と彼女は目をキラキラさせた

でも「この話は誰にもしないでね」と言われたが誰かに話す

友達なんて僕には居なかった。


「君には涙は似合わないよ」と僕の涙を拭った君、君も泣いてたくせに

僕だけ泣いてるみたいになって笑いあったね


今でも忘れない思い出である

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る