第12話 4月12日(火)クラブ紹介

 こんにちは烏山千歳です。今日は恐れていたクラブ紹介の日。なぜ恐れていたかったって?これから読めばわかります。舞台は放課後から。ではスタート。

双葉弥生:千歳。何部に入るの?

烏山千歳:帰宅部。

双葉弥生:なんでよ。花の高校生だよ。

烏山千歳:だって、東大狙ってるんだもん。

双葉弥生:千歳。文武両道じゃなきゃだめだよ。

山本優美:千歳。毎日じゃないクラブ活動を選べば?

烏山千歳:それもそうだね。

空手部先輩:千歳さん。空手部に入ってください。

烏山千歳:先輩に敬語使われても困ります。

空手部先輩:だって。千歳さんは中学生全国大会優勝でしょ。我が部を救って下さい。

烏山千歳:じゃあ、大会の時だけ出ますね。

空手部先輩:それでもいいです。じゃあ、入部届お願いします。

 と、私は空手部に入ってしまった。

烏山千歳:言っておくけど、私、東大狙っているからクラブは大会の時だけですよ。

空手部先輩:でも、週に何回かは来てもらいたいです。

烏山千歳:じゃあ、月曜日だけ。

空手部先輩:えー。週1日?

烏山千歳:こっちも、家庭教師雇っているから時間無いの。

空手部先輩:わかりました。それで、契約O.K.でも、大会で負けたら許さないですからね。

烏山千歳:任せといて。

 と、空手部の先輩は去って行った。

 次はボクシング部がやってきた。

ボクシング先輩:千歳さん。ボクシング部に入らない?

烏山千歳:もう空手部に決めました。

ボクシング部:そんなあ。じゃあ、大会の時だけでも出てくれないかなあ。

烏山千歳:私、東大狙っているのよ。もし、頭殴られて、バカになったらどうするの?

ボクシング部:だって、偏差値35なんでしょ。いいんじゃない?

烏山千歳:そんな情報何処からやってきたの?

ボクシング部:後藤俊一というあなたの友達から教えてもらったよ。

烏山千歳:あのバカ。本当に悪友だ。

ボクシング部:東大なんて夢のまた夢なんだからさ。ボクシングやりましょ。

烏山千歳:私は「東大」1直線ですからね。

ボクシング部:空手部には入ってボクシング部に入らないのはなぜ?

烏山千歳:空手部の方が楽だからよ。私にとって。1発で相手をノックダウンできるし。ボクシングは時間がかかるでしょ。

ボクシング部:じゃあ、私と闘って勝ったらボクシング部に入らなくていいよ。

烏山千歳:はあ?なんで戦わなきゃいけないの?

ボクシング部:どう。格闘家の血が騒がない?

烏山千歳:遠慮します。

 と、千歳はボクシング部を思いっきり睨んでボクシング部は退散した。その後も柔道部からも誘われた。もちろん断った。

 そして、家に帰った後、信一さんに話した。

小幡信一:格闘技ねえ。頭にダメージが来なきゃやってもいいんだけどね。

烏山千歳:私、少し運動したいな。

小幡信一:毎日1時間は運動して後は勉強しようか。

烏山千歳:信一さんも運動するの?

小幡信一:僕は勉強の時だけ。でも、運動すると脳の刺激になってかえって記憶力がつくこともあるんだよ。

烏山千歳:ふーん。私、月曜日だけ空手部に入ることにしたんだよ。でも、勉強が楽しくなってきたから東大に行きたい。

小幡信一:悩みどころだね。空手部断る?

烏山千歳:うん。運動を自主練だけすればいいよね。

小幡信一:まあ、そううまくいけばいいけどね。

 と、今日は悩みの1日でした。

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