第33話 アキンボ
(バングじゃない!
詳細宣言ゴリゴリに書いてバングに見せかけたんだ
さっき当たって熱かったのが詳細宣言が書いてある証拠!
“メテサイル”だ!)
×××××××
メテサイル 終点距離(m) 半径(cm) 数+10 温度(℃)
半径1cmの球を10個起点から宣言した終点距離までの前方の障害物を追尾する。
×××××××
周りの受験生もバングに見せかけたメテサイルであるということに気付きだした。
メテサイルの追尾がどれだけ長く、精密であるかは宣言者の魔力操作に委ねられる。
故に宣言者の力量によって難易度が大幅に上下する。
そして、ここの試験監督は並じゃない。
受験生は苦戦を強いられた。
(くそっ いつまでたっても追尾をやめない
どうせ最後にどれかしらに当たってしまう
ターゲットを取られた時点で当たるのがほぼ確定してる
どうにかしないと…)
受験生はこの障害物として認識された時点で当たることがほぼ確実なメテサイルに苦しめられた。
どうにかして、当たるまいと解決策を模索するが未だ解答を出せずにいた。
ただひたすらに、ドラゴンの速度で逃げ切るのみだった。
(躱したところで追尾は終わらない
逃げるだけじゃ追手が増え続ける
ターゲットを取られた時点で負けなんだ…
ターゲットを取られた時点で…
そうだ 終点距離!
メテサイルは終点距離前提の魔法
必ず範囲があるんだ
この精度で放ってくるってことは
無闇に終点距離を伸ばして魔力の消費を増やすようなことはしないはず
一人でこのフィールド全てを範囲に指定してないはず
そんなのは非効率だし
城壁に等間隔に何人もいるのは範囲の分担
試験監督の真下だ!
その試験監督しか狙えず認知されにくい場所!)
ロイはなるべく逃げるかのように見せかけ、こっそりと試験監督の真下に潜伏した。
しかし、反対側にいる試験監督には直ぐに気付かれてしまった。
(もう ばれた? 数分だけでいいんだ ちょっとだけ時間を稼いで 休めれば…
ん?)
違和感を感じた。
明らかに気が付いているはずなのに、意図的に無視をする様な。
その試験監督はロイの真上にいる試験監督に報告するような様子は見せなかった。
真上の試験監督も気付かずにいた。
(正解なのか?)
その状態である程度の時間を過ごした。
それに気がついた他の受験生も同じような行動に出た。
すると、一瞬にして試験監督は魔法を放つのをやめた。
(終わり… か?)
ボォウ
試験監督は新しい宝石を取り出して、今度は火の球を放ち始めた。
(今度こそ 本当のバングだ
魔力操作がスピードにぶっぱされてるからか さっきのとは比べ物にならないくらい速いけど
しっかり見極めれば…)
無数の火の球が受験生に向かって一直線に放たれる。
バン
フィアマは炎の球に自ら当たりに行った。
「フィアマ! フィアマ!」
ロイはフィアマの名前を何度も叫んだ。
しかしフィアマは一向にロイの言うことを聞かない。
片っ端から火の球に向かって飛んで行く。
炎に興奮したのか我を失うかの様に飛び回り、フィールドを掻き回しそのまま試験は終了した。
7月13日
ロイはデカリラへ合否を確認しに行った。
1、2、4、5、…
210、211、212、214、215…
240、242、243、245、247
[魔力とは魔素を操る体力のこと。
宣言者とはシェフであり、
魔法文法とはレシピであり、
魔素とは材料であり、
魔技とは技術である。]
___
第33話 『アキンボ』
最後まで読んでくれてとっても嬉しいです!
ちなみにアキンボとは二丁銃を持つことです!
ロイのデカリラ受験は終えましたが、まだ受験は終わっていません!
オリビア、タイタニアは第一志望が残っています!
どうかこの先も読んでくださると嬉しいです。
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フォローもよろしくお願いします。
星欲しい!!
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