世界の神話を繋ぐ杵3

預言ケリュケイオンの持ち主は数奇な変遷を辿ります。


ヘルメスが預言ケリュケイオンを手にしたのは自身が発明した楽器をアポロンと交換した事に依ります。


アポロンが預言ケリュケイオンを手にする前の持ち主はイーリスという虹の女神でした。


彼女は一般にヘラの伝令神ケリュケスとして扱われますが、アポロン誕生に際しヘラの意向に反して出産の女神エイレイテュイアを連れ出している事や、神々の誓罰に使用する三途川ステュクスの水汲み役をゼウスから仰せ仕っている事から、ゼウスの伝令神ケリュケスではないかとの指摘があります。


通常に考えて預言ケリュケイオンは発令時の都度々に与えられる物ですが、アポロンがヘルメスに与えたように伝令神ケリュケスが後継を選ぶとも考えられます。


一般的にはこの三神の持つ預言杖ケリュケイオンが別個の物であると捉えられている事は一応、補足しておきます。

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