世界の神話を繋ぐ杵

金剛杵ヴァジュラとは帝釈天インドラの持つ金剛製ダイヤモンドきねで、ギリシャ神話のゼウスが持つ雷霆ケラウノスと起源を共有します。


杵とは月の玉兎が餅衝きに使っているI字型のハンマーで中央に細く短い柄部分があります。


フィンランド神話に登場する雷神ウッコの持つウッコンバサラと名称を同じくするものの、形状はT字ハンマーに変化しています。

同一視されるトールのハンマー「ムジョルニア」がロキの仕業により短柄になったとする伝承からも、伝聞によってI字からT字に変化した事が推察されます。


杵と槌の厳密な区別を見つけられなかったので便宜上、杵をI字、槌をT字と区別する事にします。

横槌のような杵と槌の中間の状態も存在するので厳密な分類が欲しい處です。


ともかく、短柄槌はガベルなど屋内議決の用途以外に有用性を見出せず、あまり歴史を遡る事ができませんでした。

試料採掘用、脱獄用の小型のツルハシを兼用する物を同列に扱う事も難しいと考えます。


話は逸れましたが、金剛杵ヴァジュラは世界の神話の関連性を探求する上で重要な軸になると考えられます。


何故ならば多くの神話にはゼウスと同一視される神が登場し、その手には雷霆ケラウノスと起源を共有する金剛杵ヴァジュラが握られているからです。

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