歴史上の人物を、しっかり生き生きと描いている。主人公井伊直政視点の独白は皆無なのに、周囲の人々の視線から、彼の孤独で苛烈な人生が浮かび上がって来て、終盤は兎に角泣けた。好々爺な家康爺ちゃんがかわいい。あと、主人公が心惹かれる相手がボケボケで、鈍すぎるところが。痴話喧嘩っぽい遣り取りが笑えるが、その裏側にある主人公直政の想いを想像すると、泣けてくる。