40歳童貞 異世界にて大魔法使いになる

@baibaisan

第1話40歳Happy birthday to me.

30歳まで童貞であると魔法使いになれるという逸話を信じてはや10年。

涙ながら一人バーで酒を飲んでいた。下戸であるのに酒を飲んでしまうのは

これからのことを考えないようにするためだった。

女子受けを気にした清潔感あふれるスーツは少し皺が寄りネクタイも曲がったままになっていた。

腕時計で時間を確認し、ゆっくりと席を立つ。

アルコールを匂わせてタクシーへと乗り込み家路へと向かった。

エレベーターを降りて自分の部屋の電子ロックを外し電気をつけた。

少し飲みすぎたようだ。明日の業務に差し支えるかもしれない。

明日ぐらいはゆっくりしようか。有給をとってしまおう。1週間休みをとって

旅行にでも行こうか。

そんなことを思い浮かべながらベットの淵へと沈み込んだ。


・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

犬の遠吠えが聞こえる。

「うるさいなぁ」

二日酔いの頭に響く騒音に文句を垂れる。

ペット禁止のマンションなのに誰か犬でも飼っているのだろうか。

ベットのシーツを掴もうとすると空中で手は空振り前のめりに転ぶ。

土が口に入り不快感で目を覚ます。

そこには大きなオオカミが唸っていた。

夢なのか現実わからないが獣臭とも呼べる強烈な匂いでこれは現実だと

理解した。

なんで部屋にオオカミが!?

必死に手足を動かす。よく見れば数匹が囲んでいた。

どういうこと!?

酔っ払った勢いで森でも徘徊してしまったのだろうか。

そんなことを考えている間に目の前の一番大柄なオオカミが

首を噛み切ろうと襲いかかってきていた。

やばい助けて!!

脳内を走馬灯のようなものが走り回った後一つの名称が出てくる。

「ファイアーボール」

そのとき顔を覆ったてから熱気が立ち籠る。

熱気は炎へと姿をかえ球状へと変化し、オオカミに飛び込む。

炎の玉を食らった、オオカミは吹き飛び木にぶつかる。

慌てた他のオオカミは身を翻し森の奥へとさっていった。

焼け焦げたオオカミの死体を目の前にへたり込むこととなった。

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