第2章

19-1 女子会する?

「――という事があったの」


 翌日の昼休み。

 サンドイッチを片手に透は説明を終えた。

 ここ数日の動向についてである。

 それをうんうんと頷きながら聞いていたのは麻尋。

 彼女は騒動の一部始終を何も話さずに清聴していた。

 そして、透が話を締めた後に金髪のツインテールを揺らして立ち上がる。


「どうしてそんな面白そうなイベントに呼んでくれないの!?」

「えぇ……」

 

 透は困惑した。

 業務連絡くらいの感覚で麻尋に話した内容。

 それはおせろのプライバシーも加味してぼかしたものだった。

 それでも麻尋は断片的な情報から恋愛が絡んでいると感じ取ったのだ。

 麻尋は恋愛関係の話題が大好物である。

 他人の物は特にだ。

 加えて今回は麻尋のおもちゃ1号・2号が絡んでいる。

 麻尋が面白がらない訳がないのだ。


「そのおせろって子は可愛い?」

「うん、すごく」

「スタイルはいい?」

「うん、ものすごく」

「私より?」

「うん、麻尋より背も胸も大きい」

「超見てぇ~!」


 麻尋は椅子に座り拳を握りしめながら心の声を漏らした。

 その後も麻尋の質問は続く。


「京真君の妹は可愛い?」

「うん、超可愛い!」

「何歳くらい?」

「中学生だから13~15くらいかな?」

「どんな子なの?」

「背は小さめで黒髪ぱっつん無表情の中性的な感じの僕っ子だけどなぜか感情がわかりやすくて、おせろが大好きで恥ずかしがりやな一面もある礼儀正しいツンデレ気質な超絶美少女だよ!」

「随分饒舌だな、おい」

「また会いたいな~」


 透がニコニコで和己の事を思い浮かべる一方で麻尋は腕を組む。

 そして、しばらくしたところで透にこう言った。


「じゃあ、会いに行こっか」

「へ?」

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