第34話

「あぅッ!?」

 

 僕はマキナの頭を片手でつかみ、締め上げる。


「ァ?僕に命令するとは随分と言いご身分になってじゃねぇか。なぁ?」

 

 マキナの……ハイライトのない瞳を睨みつけ、僕は淡々と言葉を口にする。


「頭が高けぇ」

 

 僕はマキナを床へと転がし、マキナの頭を僕の足で踏みつける。


「お前の立場はこれだ。マキナ風情が僕に意見してくるんじゃないよ」

 

 ヤンデレの対処法。

 それは暴力で黙らせてしまうことだ。

 監禁されても破壊して出てくればいいし、襲われても返り討ちにすればいいし、薬をもられたらその薬に対抗してしまえば良い。

 泣くのであれば物理的に泣けないようにしてやれば良い。暴れるのであれば物理的に押さえれば良い、他の連中に手を出すというのであれば、手を出せないように物理的にすれば良い。


 暴力……!やはり暴力は全て解決する!

 

 この世界でヤンデレに困っている人が居たら、暴力で解決してほしい。

 暴力をDVとして訴えるような女はヤンデレにあらず、恐らくメンヘラ辺りか、君の被害妄想だろう。メンヘラならどうせすぐに別の男に乗り換えるし、さっさと逃亡してしまえばいいだろう。

 被害妄想だとしたら仕方ない……自意識過剰は死すべし。

 これしかないだろう。


「ほら。さっさと転移するぞ」

  

 僕は地面に転がって恍惚の表情を浮かべているマキナを掴み、強制転移させてやった。

 面倒なヤンデレは暴力で黙らせて、会話しないに限る。

 マキナを強制転移させた後、僕も転移魔法を使って魔王のいる方へと向かった。

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