第6話

「もうすぐ出口ですよ!」


「うむ(そうですね)」

 

 あの後、僕はニーナを連れてダンジョン内を歩いていた。

 今いる階層は一階層。

 何の障害もなく、立ちふさがるすべての魔物をなぎ倒してここまで進んで来た。

 僕の持っているレールガンの攻撃を受けて命を落とさない魔物はいなくて、全員が全員一撃だった。

 本当に他愛もなかった。


「ここか」

 

 僕はダンジョン一階層から地上に出る階段へとたどり着く。


「はい!そうです!」

 

 ニーナは僕の言葉に頷いて階段へと元気良く登り始める。

 僕もその後を追っていく。

 現在の文明力では作れないと思われる未知の素材を使って作られたなめらかな階段を登っていく。


「街です!」

 

 そして僕たちはすべての階段を上がりきり、ダンジョンから地上へと戻った。

 ダンジョンに出てすぐ街となる。

 この街はダンジョンを中心として繁栄した街で、街の中にダンジョンの入口があるのだ。

 ダンジョンの入口、それは一つの扉。

 既に長い年月が経っていると思われるのにも関わらず、一切の劣化が見当たらないすごすぎる扉だ。

 街のど真ん中に扉が一つだけ堂々と置かれていることに対して強い違和感を覚えるも、この街に住んでいる人にとってはそれが普通であり、違和感を覚えるものではないのだろう。


 僕たちが出た地上、外は既に真っ暗で、暗闇に包まれていた。

 どうやら既に深夜のようで、家の明かりも消えている。

 夜空に輝く月も雲に隠れているため、本当に暗闇に包まれていて、辺りを見ることが出来なかった。

 

「まずは冒険者ギルドであるな。(……じゃあ最初に向かうのは冒険者ギルドの方ですね)」

 

 冒険者ギルドは24時間開いている。一番最初に向かうべきなのは冒険者ギルドだろう。

 僕は冒険者ギルドへの行き方は本に書かれていた地図をを見て覚えた。

 僕が歩き出したその時、服の袖がゆっくりと引っ張られる。

 

「……待ってください」

 

 僕の服をニーナがゆっくりと引っ張ったのだ。


「何だ?我が覇道を止めるほどの価値ある用なのであろうな?(はい、何でしょうか?)」


「……一番最初に行くのは冒険者ギルドではなくて……まず、私についてきてほしいんです」

 

 ニーナがおずおずと僕に向かってそう告げる。


「良いだろう。汝が頼み聞き入れてやろう。感謝するが良い(はい。良いですよ)」


「本当に!?」

 

 僕の言葉を聞いたニーナが嬉しそうに破顔させる。


「良かった!嬉しい!」

 

 そして、ニーナは僕に抱きついてきた

 そんなニーナの頭を僕はゆっくりと優しく撫でてあげた。

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