第1話
「ほんほん……」
僕は基本的に魔法で遊ぶか、読書をするか、レインとお話するか。
この3つをして日々の生活を充実させている。
ペラ……ペラ……ペラ……。
僕一人だけの空間に本のめくる音だけが響く。
「へぇー」
今、僕が呼んでいるのは世界各国にある観光地が書かれている本だ。
「ダンジョンッ!?」
そして僕は読み進めていくうちに絶対に目を離せない重要な一文をを見つけ、立ち上がる。
「嘘でしょ!?」
ダンジョン。
その響きは人々を魅了する。
そこにあるのは強大な敵と、莫大な宝。
ダンジョン制覇と言う一言には絶大な名声が込められている。
それに憧れるなと言う方が無理な話である。
「え?……この世界ってばダンジョンなんてあったの……?」
そういえば……梨々花がゲームをやっているのを見ていたとき、一瞬そんな話が出てきていたような……?
「えー。あるのか……行きたいな」
僕はダンジョンに行きたいと思った。
「良し。行こうか」
ダンジョンへと向かうことを僕は決意する。
行きたいと思ったから行く。
せっかくダンジョンがあるのだ。行かない手はないだろう。
「よっこらせいと」
僕は本を閉じ、本を読んでいたメインルームから書庫の方へと向かう。
「えぇ……っと」
読んでいた本を僕は仕舞い、その代わりとして地図を探す。
世界すべてを記している地図。
世界で最も偉大な冒険者と呼ばれているSS級冒険者、フリィによって作られた精巧な地図だ
「あった」
僕は地図を見つけ、床に広げる。
本に紹介されていたダンジョンがあるのは南の辺境の地に存在している小国。
「ここか……」
僕はその国の場所を見つけ、ここからその国までの距離を確認する。
「南南東に……5784km……」
位置を確認し終えた僕は地図をしまう。
その後にメインルームの方へと向かう。
「えぇ……と」
僕は大規模な魔法の使用の準備を始める。
使う魔法は大規模転移魔法。
転移先はここから南南東に5784km……なんかこう、良い感じのダンジョンまで!
「あっ……」
流石に連絡もなしに行くのは不味いよね。
……レインが来るのを待つのも面倒だし……書き置きを残しておけば十分だよね。
僕は紙にダンジョンの方へと向かう旨を記載し、その紙をテーブルに残しておく。
これでよし。準備は完璧だ。何の問題もない。
「じゃあ行くか!」
僕は転移魔法を発動させた。
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