第25話 08時06分
「あっ。ゴウちゃんゴウちゃん。公園抜けて行こうよ」
コンビニで立ち止まりすぐ。また久梨亜がそんなことを言い出した。
「何で遠回りを選ぶ!?」
次から次へと目に入るもので何か言ってくるガキだった。うん。何で周りに知り合いいないんだよ。おまけに声が聞こえる範囲にはずっと人が来ないし。誰か歩いて来いよ。何で俺達の声が聞こえない距離くらいしか人が歩いてないのか……。
「そんなに変わらないよ。ゴウちゃん。朝の散歩」
「変わるからな?散歩したいなら早く起きろ」
「お散歩お散歩」
俺の話は久梨亜に聞こえていないのだろうか?
「聞けよ。誰だよ。寝坊助は」
「ゴウちゃんでしょ?」
「……」
俺は返事をせずに学校への道をいつものように歩き出した。うん。相手をしだすとね。前に進めないから歩くことを選んだのだった。
「あー、ゴウちゃん怒らないでよ。ゴウちゃんってばー」
すると久梨亜がトコトコ追いかけてきたのだった。うん。マジで周りからはなんかいい雰囲気と思われるかもしれないが――俺既にクタクタですので。
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