美少女(と陰キャ)のプライベート

こんにちは、湊翔太です。

今日は猛暑日で、本来はクーラーの効いた部屋で引き篭ってる予定だったのですが、ラノベの最新巻が出てると言うことで本屋に来てます。


と、誰に宛てるでもない自己紹介をし、本を見ていく。

欲しかった本以外にも色々興味をそそられるモノがあって楽しい。

最近ラノベの他にも、感動する系の本にも手をつけている俺としては本屋は軽く3時間は暇を潰せる。

取り敢えず欲しかった本をレジへ持っていき、会計を済ませ、本屋内にあるカフェで一息つく。

この時間が一番有意義に時間を使ってるように感じる(分かる人いないかな)。



小一時間ほど経って、特別用事もなかったため家に帰ろうと歩いていると、その道中で綾瀬さんを見かけた。

遊ぶときに学校以外で会うことはあれど、一人でいるプライベートな綾瀬さんを見るのが初だったので、ちょっと気になった。

どこに行くんだろ、という軽い興味が湧き電柱に隠れつつ後をつけることに(これってストーカーにならないよね?)。


まず最初に来たのは…ペットショップ?

この前家に行ったときにはペットを飼ってる様子はなかったけど、ってめっっっちゃ猫見てる。

ガラスに張り付きすぎて半分顔面崩壊みたいな感じになっちゃってるよ。

というか結構前に行った猫カフェでも、猫にデレッデレだったな。綾瀬さん猫好きなのかな。




……………もうかれこれ30分くらい居るぞ、飽きないんか?

数分経ちようやく歩き出した。次はどこに行くんだろうか。


次に綾瀬さんが足を運んだのは、本屋だった。俺がさっき行った店とは違うが。というか、意外なところに来たな。綾瀬さんの趣味ってあんまり聞いたことないから気になるな。

と、颯爽と漫画コーナーへ向かう綾瀬さん。

何か目当ての品でもあるんだろうか。

隠れつつ手に持ってる作品を見てみると、ゴリゴリのバトル漫画とコメディ漫画。

綾瀬さんってバトル漫画好きなんだ…と新たな一面を意外な形で見るのであった。



その後もデパートで流行りの服?を見ていたり、商店街をぶらぶらしていく綾瀬さん。

時刻は18:00手前となり、そろそろ帰るのかといった様子だったところで———


「3時間くらいついてきてるよね?」

(!?)


後ろ向きに話しかけてくる綾瀬さん……ば、バレてた!?!?


「早く出てきた方が身のためだよ〜?」

(やっぱりバレてる…!?)

「はーやーくっ!」


と、おもむろに後ろに振り返って俺の方へ一直線で駆け出してくる…!


「そこでしょ?」

「えっ」


場所までドンピシャで把握されていたようで、逃げる暇なく見つかってしまっ、た…?


「あれ、みなっち?」

「え、う、うん」

「え、こはるんじゃないの!?」

「……へっ?」


こ、こはるんって多分茨実さんの事だよな?

なんで急に茨実さんの名前が…??いやそんな事より、誤解解かなきゃ!!!


「あ、えっと、これは違くてですね…本屋から帰るときにたまたま綾瀬さんを見たからつい、ついてきちゃったと言いますか……」


言い訳にもなっていない言い訳を重ね自滅するワイ。

完全にストーカーである。


「あーいや、そこは大丈夫なんだけど」

「大丈夫ではなくない?危機感足りてないよ多分」


張本人が言うのは絶対にお門違いだけど。


「こはるんいっつも…って訳じゃないんだけど、たまに私の後つけてくるんだよね。それで『つけてくる=こはるん』っていうのが頭に染み付いちゃって」

「え?茨実さんってストーカーなの?」

「まあ四捨五入したらそうなるかも」


何をどう四捨五入するんだよ。てか茨実さんって綾瀬さんの後つけてるんだ……全くイメージできない。勉強会の時とか鬼になってるあの茨実さんが…ストーキング?????1mmも想像できねえ。


「だからみなっちも気をつけてね」

「俺の心配なんだ」

「じゃあせっかくだし一緒に帰ろっか。途中まで道一緒だし」

「う、うん」


今日は新しい発見が多すぎてパンクしそうになる湊翔太だったまる

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