クラスの地味キャラも恋をする
ぱらな
今まで二次元しか興味なかった俺がクラス1可愛いギャルに気に入られる話
先月俺はそこそこ偏差値の高い上代高校に入学した…というのは置いといて—
「なにかお礼でも…」
「いやいいって」
「でも…」
「だから大丈夫だって」
なんで俺は今こんなことになってるんだ。
—今から遡ること30分ほど前、俺は1人学校帰りに本屋に行こうとしていた。その時大学生らしき男ら3人が1人の女子に話しかけているのが見えた。
「すいません、どいてもらえますか?」
「冷たいなぁ、俺たちと遊ばない?今暇でしょ?学校帰りっぽいし」
「いや、あの…」
うわー、内気な女子がナンパされてる。典型的なラノベみたいな展開だな。ってか制服を見た感じ同じ高校だな。しかも学年まで一緒だ。……さて、どうしたもんか。まあここで助けないほど男は廃れていないので声くらいはかけるか。
「あの〜…」
「あ?誰だお前?」
(えーナンパしてる人ってこんな短気なんですか?めっちゃすぐキレるやん)
「いや、この子が困ってそうだったので—」
「何?部外者ならさっさとどっか行けや」
「部外者というほどでも、んー…クラスメイt—」
「私の彼氏です!」
えぇぇえ?!いや違うよ!?なんて言えないなこの状況。…ん?なんか腕に違和感が……って!当たってるよ!!あれが!!
「なんだ彼氏持ちかよ、おい行くぞ」
「さっきはありがとうございました」
「いやいや。こんな仏頂面の俺が彼氏とか…って感じだよな。」
「いえ、割って入ってくれた時はかっこよかたですよ?」
「え?あ、あぁ…ありがとう」
(さっきは必死だったから見てなかったけど、この子めっちゃ可愛いな!!だからといってナンパは良くないが)
「じゃ俺はこれで—」
「あの!」
急に呼び止められて背筋が伸びる。
「どうかした?」
「あの、名前だけでも…」
「え?俺?俺は湊翔太」
「湊……翔太…」
「じゃ、俺はこれで」
「あっ!」
そしてその翌日。
(昨日のあれはなんだったんだ…)
まあそんな気にすることでもないか。あの子とはもう会わないだろーし。
特にやることもないし、ぼーっと窓でも眺めて—
「うぃーっす!翔太!!」
「お前は朝から騒がしい奴だな」
「そりゃもちろん、今日は『めいちゃん』のイベント開催日だからな!」
こいつは長谷川裕也。俺の数少ない友達だ。俺とは正反対で陽キャで友達も多い。そんな奴がなんで俺と絡むのか、理由は一つ。同じオンラインゲームの大ファン(ヲタク)ということで意気投合したからだ。
「お前イベント一つではしゃぎすぎだろ」
「いや翔太は『めいちゃん』の良さを分かりきってないなぁ。性格もさることながらあのルックスよ。男の欲望を全て詰め込んだような見た目。それに加えて母性も溢れてる。いやまじで—」
「出た、ヲタク特有の早口。これ聞いてる側辛いんだよな〜」
「いやお前も人のこと言えねぇよ?この前『アリサちゃん』のイベント来た時ライン連投しすぎてブロックされてたやん。あの時はエ○ァの暴走した初号機かと思ったわ」
「『アリサちゃん』じゃない、『アリサ様』な」
「様付けしてる時点で末期だな…」
そんな感じでいつも通り話していると、1人の女子がこちらに近づいてくる。
「何?お前なんかやらかしたか?」
「いや、特に何もないと思うけど…」
そして俺の目の前に来て—
「おっはよーみなっち。昨日名前聞いた時『あれ?横の席の男子じゃね?』って思ったけど本当だったね!」
(いや「みなっち」て誰?!てか昨日名前聞いたって……もしかしてあの時の!?!?見た目違いすぎねぇ!?別人すぎて「誰?」って失言するところだった…)
「あ、あぁ…そうなんだ……って横の席?!」
「そだよ、今更〜?まあ入学式みなっちの顔『俺女子に興味ありませーん』って顔してたしね」
「う…図星だ……ってか初日から俺のこと知ってるやつなんているんだな」
「まあ隣の席だし」
「あーそゆこと。でも俺に興味持ってるやつなんて長谷川以外にいないと思ってたわ」
「おいそれは俺が変人と言いたいのか?」
「違うわ」
(て言うかこの子めっちゃ可愛いじゃん!お前この子いつどこで口説いたんだ!?)
(口説いてねぇ!昨日この子がナンパされてたから助けてあげただけだ!!)
(へー、本当かなぁ?お前がギャル好きで気に入ったから口説いたという可能性も―)
(違うわ!断言する!!違ったら今日の昼飯奢ってやる!)
(じゃー俺唐揚げ定食がいい)
(信じてなさすぎだろ!!)
「っていうか俺の名前は教えたけどそっちの名前は?隣の席同士知っておいた方が勝手がいいと思うし」
「あ、私の名前?私は綾瀬渚、よろしくー」
「じゃ、改めて綾瀬さん、今日から宜しく」
「ん?俺今めっちゃいらねー立場の男になってない?」
「そんな事ないぞ、とりあえずもうすぐHRだから席に戻った戻った」
「それもう直接どっか行っててって言われた方が良かったわ!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます