エジソン編‐3
トゥーマッスルは成長するにつれ、自身の筋肉を活かす為に、発明に興味を抱くようになった!
しかし時として試練もまた訪れる!
「む!汽車に乗り遅れそうなんだ!早くしないとなんだ!」
汽車に乗り遅れそうになり、急いで車両に乗り込もうとするトゥーマッスル!
しかし駅員さんはそれを、駆け込み乗車を見逃さない!
下手をすれば命すら危うい危険行為!
それを許すことなど、職務に熱い想いを抱く彼には出来なかった!
使命感と責任感が駅員さんを突き動かす!
「駆け込み乗車だとっ!?危ないっ!」
「え!?うわぁ!」
彼の伸ばした手はトゥーマッスルの耳を確かに掴んだ!
日々の労働で鍛え上げられた筋肉を用いて掴んでしまったのだ!
「ぐわぁあ!み、耳が!」
「しっ、しまったっ!」
車両に乗り込もうとするトゥーマッスルの推進力!
彼の反対方向に引っ張る駅員さんの力!
相反する方向性の力は悲劇を産み落とした!
トゥーマッスルの耳に不可逆的なダメージを与えたのだ!
「耳が、耳が痛いんだ!」
「だっ、大丈夫かっ!?」
「なんだか耳の聞こえ具合が悪い気がするんだ!」
「すっ、すまない少年っ!」
そのダメージはトゥーマッスルの聴力を奪ってしまった!
駅員さんが慌てるも時すでに遅し!
もはや現実は覆らない!
駅員さんは自責と後悔の念に苛まれ、悲痛なまでに表情筋を歪めて謝罪する!
しかし!つま先まで鍛え上げた漢の器は格が違った!
「いや、元はと言えば駆け込み乗車をしようとした自分が悪いんだ!それに耳が聞こえづらくなったからこそ、そう言った立場の人たちの目線に立って考える事が出来るようになるんだ!だからこれは障害じゃなくて進歩なんだ!」
「なっ、なんと前向きなっ!」
トゥーマッスルは自らの非を認め、憤り駅員さんを責めるどころか、自らの変化を受け入れ、進化と語る!
そして彼はこの状態を活かし、蓄音機の発明に成功したのであった!
有言実行のその姿に駅員さんは感嘆を禁じ得ない!
これも筋肉をつけた事で自信もまた身に付いたからこそであろう!
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