エジソン編‐1

1847年!

アメリカ合衆国のオハイオ州に一人の漢が生まれた!

その漢の名は………



トゥーマッスル・アルバ・エジソン!



つま先まで筋肉がたっぷり詰まったその漢を、人々はやがて『発明王』と呼ぶようになる!






「1+1=2である!」

「先生!」


少年、トゥーマッスルは授業中に疑問を抱いた!

それ故に質問をする!

もちろんキチンとお行儀よく挙手をして!


「トゥーマッスル!発言を許すのである!」

「何故1+1=2なんだ!」

「それは1+1=2だからである!」

「何故1+1=2なんだ!」

「それは古来より決まっている理だからである!」

「何故そう決まっているんだ!」


何故1+1=2なのか!

それがトゥーマッスルには分からない!

何故古来より決まっているのか!

それがトゥーマッスルには理解できない!

故に、彼は自分が納得できるまで質問を繰り返す!

しかしその姿勢が教師には疎ましかった!


「えぇい!聞き分けのない小僧め!何故だと!?貴様こそ何故このような当たり前の事が理解できないのであるか!」

「分からないんだ!何故そうなるんだ!何故だ!何故なんだ!」

「うるさいうるさい!筋肉すら碌に無い、ヒョロヒョロの小僧が世の理に疑問を呈するなぞ100年、いや1世紀早いのである!」

「なっ!?100年はともかく、1世紀は言い過ぎだ!」


教師はイライラとした表情でトゥーマッスルをこき下ろす!

筋肉が無い!

ヒョロヒョロ!

挙句の果てには1世紀早い!

トゥーマッスルも怒りに震えながらも堪えようとしていた!

しかし1世紀早いと言う罵声は彼の逆鱗に触れた!


「はぁ!」

「効かん!未熟者め、出直してくるのである!」

「うわぁ!」


己の激情に任せ、教師に拳を振るうトゥーマッスル!

しかし教師は防ぐ事を、ましてや避ける事すらせず、自らの頬で受け止める!

その上で表情筋を以てトゥーマッスルを弾き返したのだ!

その事実に、トゥーマッスルは弾き返された拳以上に、心に衝撃を受ける!

そして自らの非力を嘆き、強くならねばと誓うのであった!

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