見える髪


ひまわりの家に着く


「ほんとに久しぶりだな」


俺がひまわりの家に上がって最初に出た一言だった

いつぶりだ?

本当に3年振りくらいかもしれない

そういえばなんでそんな久しぶりだったんだろ?

まあ基本ひまわりがうちに来ることの方が多いからだと思うけど


ひまわりの部屋に行くと

ここは何となく見覚えあるけど

昔来た時よりも女の子っぽい部屋になってんな

なんか変な感じするぞ

ひまわりは早速教科書とノートを広げる


「何がわかんないの?」


座りながら俺が言うと


「なんか主語とか動詞とかが何言ってんのかわかんない」


「そこからかよ…

英語は慣れれば簡単だっていうからな」


「うー難しいなー」


高校受験の時は確かこんな風に一緒に勉強してたもんな

ひまわりがギリギリ合格点だったのすげー覚えてるけど

あの時はたまたま当日に少し勉強したところ5問くらい出てきてそれでギリギリだったんだよな


「あーーわかんない!もう終わりだー!」


ひまわりが音を上げる


「諦めんなよ!ほらやるぞ!」


高校受験の時も諦めなかったから合格出来たんだろ!

もっと気楽にいこうぜ!


「あーー林間学校行きたかったなー」


ひまわりがそう言う

俺はまだそんなこと言うひまわりに対してこう言った


「お前が1番楽しみにしてたのになんで林間学校行かないつもりなんだよ!

絶対そうはさせねーからな!?」


「……」


そりゃそうだろ、ひまわりが企画を立てたりグループ決めたり色々してくれてたのに

こいつが行かないなんて……


「俺はひまわりとみんなと一緒に林間学校に行きたいんだよ

俺にそう思わせてくれたのはひまわりだぞ?

ひまわりが居ない林間学校なんてつまんねーじゃんか」


「…………」キュン


「じゃあやるぞ」


「うん!」


ひまわりはまた笑顔になって勉強を再開する

よし、その調子だ

その後2時間くらいは勉強した

わからないことは全部教えてひたすら書いて覚えていた


「いけるかこれで?」


「うん!ありがとー!」


これで追試合格出来たらいいな


「ねえ、ふーま」


「ん?」


ひまわりがペンを置いて俺の名前を呼んだ


「…………あの時…ごめんね」


とひまわりが言い出す

けどなんのこと言ってんだ?


「何が?」


と聞き返す


「……"3年くらい前"の事だよ」


3年前?

なんかしたっけな?

まあひまわりは俺に色々ちょっかいかけてきたから何に対して謝ってるのかよくわからん


「3年前ってなんだ?」


「………やっぱなんでもない!」


ひまわりは教科書を閉じながら言った

な、なんだ!?


「え?なに?そこまで言ったら気になんだろーが!」


「なんでもないよー!

とりあえず明日の追試がんばるね

ありがとーふーま!」


「………??

まあ明日頑張れよ」


「うん!」


何に対して謝ってるのかはわからなかったけど

俺もよく覚えてないからきっと大したことないんだろうな

3年前かーそういや水瀬に話しかけようとした時にひまわりに邪魔されたのって

あれはひまわりに悪気があったわけじゃないもんな

まあいっか


俺は荷物を持ってひまわりの家を出ようとする

その玄関でのこと


「今日両親居ないんだろ?

うちで泊まってくか?」


と俺は聞く


「別にいいよそんなことまでしなくても

1人で居るのも慣れちゃったし」


「そうか?」


「うん、ありがとね!」


「はいよーじゃあまた明日な」


「おやすみー」


ひまわりの家を出た


ひまわり

「…………泊まりなんてしたら……

……おかしくなっちゃうよ……」


次の日


ひまわりと北谷は放課後に追試を受けていた

俺ら4人も終わるまで待つ


しずく

「いやーこっちが緊張するなー」


「まあねー林間学校はみんなで行きたいしね」


遥香

「頑張って2人とも」


そして1時間半くらいすると

2人は戻ってきた


風馬

「どうだった?」


俺は恐る恐る聞く


ひまわり

「あ、あ、あ、」


しずく

「え?」


北谷

「………」


「どうしたの?」


ひまわり

「追試………

受かったー!!!」


風馬

「おーー!!!」


な、なんだよ驚かせやがって!!

なんの間だったんだ!!


ひまわり

「やったー!!」


遥香

「これでみんなで林間学校行けるんだね!」


「めでたしめでたし」


ギリギリではあったけどなんとか林間学校にはいけるんだな


ひまわり

「ふーま!」


風馬

「ん?」


ひまわり

「ありがと!」


風馬

「おう」


ひまわりが居なきゃ恐らくこのグループの中に俺は居なかっただろう

だからこそひまわりには感謝してるし林間学校も一緒に行きたかったんだ

ただそれだけだけど

このまま放っておけないのがひまわりなんだろうな


【おまけ】

〜風馬の部屋にて〜


ひまわり

「みんな好きなユーチューバーなにー?」


風馬、しずく、雛

「勉強しろ!!」

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