リスポンしたら業火の中

舞葉

大盾

目が覚めると、そこは硬い石畳の上。


5


足も、腕も、五感もある。まずは五体満足だ。


4


痛む体に鞭打ち、なんとか目を開ける。


3


頭上に広がるは煙交じりの曇天。周りではパチパチと木の爆ぜる音が断続的に聞こえている。


2


辺りを見回すと、石畳の道ではないことが分かった。


1


両脇を囲んでいるのはおそらく城壁上の…アレだ、弓矢除けのデ


0



そして、辺りは焔に包まれた。



TAKE 2


「アチャチャチャチャチャ…あれ?」


5


状況が理解できず少々困惑するものの、


4


とにかく起き上がろう。そう思い、よっこいせと腰を上げ…


3


…たところで異常な音に気付いた。何かの羽ばたく音?にしてはなんとも


2


大きすぎる気が…って、あれは!?


1


「ドラゴンじゃねぇか!?もうなんなんd」


0


地獄の業火が再来した。


TAKE 3

「あぁぁぁまにあわn」

焼死


TAKE 4

「っしゃ、炎避けられたぞ!これで勝つr

振り下ろされた足により圧死


TAKE 5

TAKE 6

TAKE 7


TAKE 37


「急げ急げ起きろ!死ぬ死ぬ死ぬ…」


5


焼死の痛みにはもう慣れた。圧死だけは慣れないが、橋から落下して死ぬよりよっぽどいい。


4


だが、炎をいくら避けてもダメだったのに抵抗手段なんか…おや?


3


「まさかこんなもんがあるとはな…よっこらせ!」


2


すっ転がっていた鉄板を持ち上げ、その後ろに隠れる。この形や素材…間違いない、盾、それも大盾だ!


1


「来るぞ来るぞ来るぞ…来たぁ!アチチチチチチ」


0



「…ゼェ…ハァ…」


生き残った…のか?


「しっかし、こうしちゃいれない。急いで何処かに隠れないと…」


鋼鉄の裏に木材と皮で裏打ちがなされていたとはいえ、盾を持っていた腕は大火傷だ。


「よし、あっちの方にドアがある。あそこにひとまずk」


喉元に流れ矢が突き刺さった。



TAKE 45

焔を避けられたと思ったら今度は流れ矢。状況的に転生でもしたんだろうが、前世ではそう変なことをしていたつもりはない。ただの学生だ。


どうもこの世界、この橋のような城壁をめぐって二つの勢力が争っているらしく、弓矢や投石機の弾丸がひっきりなしに飛んでくる。


唯一頼れるものは大盾であり、自分が死ぬたびに拾ったままの状態に戻るのだが、さすがに投石機の石弾やバリスタの弓矢は貫通してしまう。


となるととるべき選択肢はただ一つしかないようだ


「全力ダッシュであのドアの中に駆け込み、とにかく難を避ける…か…」


幸い、防衛側らしき勢力は健在のようで、ドアの周辺にはあまり飛び道具は飛んでこない。


「一発、二発、三発…今だぁぁぁぁぁ!!!!」


大盾を亀の甲羅のように背中に載せ、背中側から飛んでくる矢から身を守りつつ突進する。


体当たりでぶち明けたドアの中には誰もおらず、しかし中は蝋燭と松明で仄暗い程度には照らされていた


「た…助かったぁ…」


そうして、僕は石造りの床にへたり込んだ。




______________________________________

主人公

名前:???

年齢:16歳

職業:学生

レベル:そんなもんはない

装備:

- フラビア騎士の大盾 NEW!

フラビア王国に仕える騎士たちが好んで使う鋼鉄製の大盾。頑丈な鉄板の裏に木材と革が裏打ちされており、高い防御力と耐火性能を持つ。表面に描かれた鷲とユリをあしらった紋章は、王国に仕えるフラビア騎士たちの誇りの象徴である。

- 学生服

いずこから来たともしれない青年の服。袖や裾があちこち焼け焦げており、これ以上の着用には耐えられそうにない。



※作者注※

この小説は、獣の病蔓延る街を駆け抜け、狩〇から褪〇人にジョブチェンジした中の人が、

日ごろのストレス発散のために書き始めたネタ小説です。

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