第3話黒い巨塔

【第一外科ヒロサカ講座、教授総回診宜しくお願いします】

「うむ」

ヒロサカ教授は回診に向かう。


"ヒロサカ教授の総回診です"


「こちらの患者は、仮性包茎術後10日目です」

「うむ。もう、心配いりませんよ。今夜からシコシコできますよ。術後は順調です」


「先生、こちらは前の病院では真性包茎を見逃され危うく、チンコを腐らせそうになりましたが、手術で何とかエッチできるようになりました」

「門前君、前の病院でそれを見逃したからと言って自分の手柄にしてはいかんよ。単に前の病院にそれだけの力がなかった事だけだ。慎重に接すれば誰にでも治療は出来る」

「申し訳ありません」

「君たちも、今後気を付けるように」

【はいっ】


「門前君、この前の市長の手術の事だが、あれは乱暴に過ぎるね」

「はい?」

「マスコミを前に、予後は補償するとよく言えたね。手術はマラソンではない。時間が早ければそれでいいのではない。あの手術は患者の負担を考え、慎重に分割手術を検討すべきだった」

「ヒロサカ先生、あの手術は右の睾丸にまで腫瘍があったため、早急に右のキンタマを切除しました」

「門前君、君は私の言葉を批判するのかね?」

「い、いえ」


「門前先生、大丈夫ですか?」

「気にするな。行きたまえ」

門前は、ヒロサカ教授の座を狙うのであった。

(続く)

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