Nothing But Requiem(ナッシングバットレクイエム)N.B.R.
綾野智仁
第1部 忘却の葬列
プロローグ
始まりの世界時計
世界の果てで鎮魂の鐘が鳴り、葬列は地平線の彼方まで伸びている。誰も彼もが生気を失い、陰鬱な顔をしていた。先頭には黒いゴシック様式の服装に身を包んだ少女が立っている。これもまた黒い日傘をさし、背筋をぴんと伸ばして佇んでいた。
少女の瞳は翳りゆく夕日と同じ
神々の遺物とされる機械時計は『
「アリアお姉さま……」
少女は棺へ向かって呟くと葬列に逆らって歩き始めた。後ろからは時を刻む『
しかし、どれだけ過去と決別しようとしても、愛しい思い出がそれを許さない。自然と足取りは重くなり、やがて少女は立ち止まった。
──アリアお姉さま、どうして……。
耐え難い喪失感と怒りが少女の心を
──もう一度だけでいい……アリアお姉さまに会いたい!!
心の中で叫んだ瞬間、目の前の空間がゆらゆらと歪んだ。気づくと
「そんなに驚かないでよ♪ アリオ・トーマ・クルス」
少年は
「望むなら、叶えなきゃ♪」
少年はストンとアリオの前に降り立った。小さな手には
「ほら、これを受け取って。だって、アリアお姉さまに会いたいのでしょう?」
魔性の瞳を持つ少年は銃をさし出しながら甘く
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