幼馴染が可愛いなんて認めない!
らにあ
プロローグ
「「じゃあねーまた明日」」
そう言って何人かの生徒が教室を出ていく。
俺も帰って早くラノベを読まないと…「ラブ◯め」の続きが気になって仕方ない。
俺は荷物をまとめて教室をでる。
ラブコメや青春作品には夢と希望がたくさん詰まっている。主人公にかわいい妹がいたり、たくさんの美少女に囲まれてみたり、クールビューティーなお姉さんと同棲してみたり。また少しツンデレな幼馴染がいたり。ラブコメの世界では非リアだろうがリア充だろうが陽キャだろうが陰キャだろうが関係ない。皆等しくその物語の主人公になることができる。
例えばその主人公がキザでイケメンで裏サイトで「ヤリチンクソ野郎」と書き込まれるようなスクールカーストトップの高校生だろうが、ラブコメを現実にしようとするフツメンの主人公だろうが、はたまた名探偵の助手をする主人公だろうが、隣に住む天使にだめにされる主人公だろうが。
どんな主人公であってもその主人公はその物語にはなくてはならない存在で魅力的で憧れる存在だ。
だが現実は違う。
例えば俺こと小日向裕作がいなくても世界はまわる。つまり俺が主人公の物語は存在しないと言うことだ。
よく物語と人生を履き違える馬鹿者がお前の
うるせぇわ。もしそうであれば全ての人間が幸せな人生という物語を生み出すはずだ。
だが現実は違う。誰かが蹴落とされて誰かが上に立つ。そんな実力主義の世界だ。
そしてもう一つ
現実にヒロインは存在しない。
かわいい妹も美しく生きる同級生達も共犯者の同級生も隣に住む天使様も年上の優しいお姉さんも、
そしてツンデレな幼馴染も。
存在しない。ましてやラブコメや青春作品のようなイベントは確実に存在しない。
つまり何が言いたいかと言うと
「俺の幼馴染こと桜川月葉はかわいくない!!!だから俺がお前を好きだなんて絶対認めない!!」
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