とある若き武者の異世界道中記

仁志隆生

序章

 乱世が終わって泰平の世となり、幾年月か経った頃。

 

 そこは伊代宇和島。

 城下町のとある屋敷に、ぽかぽか陽気を感じながら何やら書き物をしている老人がいた。

 時折思い出し笑いをしている。


「あなた、そろそろ一休みする?」

 その妻が茶を持ってきて尋ねる。

「そうだな。すみれも一緒にどうだ?」

「ええ」




「あなたと私と皆の旅路……後世の人達はどう見てくれるかしら」

「それはこれを最初に読んでほしい彼に託すことになるが……伝わってほしいものだな」



 はてさて、それはどんな旅路だったのか。

 伝えたいことは何なのか。

 それをご本人の回想混じりに、これよりお話致します。

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