第14話


 私と先生がいる教室は一番上の端っこ。


 教室にはバリケードをしているし、階段にはシャッターを全部下ろしている。


 しかし、いきなりチャイムが鳴り出したのだ。


 キーンコーンカーンコーン。


 私たちは音にゾンビ達が寄ってくるんじゃないかと怯えていた。


 予想は的中し、バタバタと足音が聞こえる。


「先生、怖い」


 私は先生にギュッと抱きつき、震えていた。


「大丈夫だよ、ここにはもう三人もいるんだから、ね?刈谷くん?」


 用具入れから出てきた刈谷くんは私の手を先生から引き剥がすと、用具入れに私を押し込んだ。わざとらしく胸を触りながら。



「ここは僕と刈谷くんでなんとかするから、朱理はそこで息を潜めておくんだよ」


「はい」


 (先生好き)


 バタバタと足音がだんだん近づいてくる。


 そのうち、シャッターに何かが当たる音に変わった。


 ガシャンガシャン音がする。

 

 私は用具入れの扉を少しだけ開き、隙間から様子を伺っていた。


「さすがにシャッターは開けれないだろう」


 先生がそう言った瞬間、ガッシャーンという音と共にうゔぉぉぉぉと叫ぶ声、バタバタと足音が近づいてくる。

 

 私はここまでかと思った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る