第2話

 台湾マフィアの潜水艦は軍用のものよりも乗り心地がよかった。薬を運ぶだけで戦闘をしないからだ。戦争は人が死ぬが薬の売買はそこまで死なないのだ。ラリッた船長は「薬は生きたまま天国に行ける」と言っていた。彼はたまに船内でミッキーマウスがいたと騒ぎだすが、悪い奴ではなかった。クリスマスになると武装した彼らにおもちゃの光る銃をくれたのだ。そんな船長と彼らの別れは数時間後に迫っていた。

 潜水艦は泡を吹きながら浮上した。彼らはみな外に出た。

 「ついたぞ、南米ブラジルだ。」と隊長は言った。

 

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世界へ マッピー @mtu_1997

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