第6話花火大会

季節は入学した時の春から早くも夏に切り替わっていた。

夏服に衣替えをし涼しい服装で生活をしている時期だった。

下敷きで扇ぎ暑さを紛らわせていた時に


「もうすぐ夏休みだなぁ、花火大会行くか。」


と集まっていたクラスメイトの1人が言った。

確かに、もう2週間もすれば花火大会がある。

しかし、みんなもう行く相手が決まっているようで残ったのは言い出したやつと僕ともう1人だった。

そうして男3人で花火大会に行くことになったのだが、


「花火大会行くの?うちらも一緒に行っていい?」


と体育祭で仲良くなった女子3人組が花火大会行こうと誘ってきた。

別に断る理由がないので一緒に行くことにした。


そうして夏休みに入り、花火大会当日。

女子の家に迎えに行き待っていると、3人とも浴衣を来ていた。

男3人なんて私服なのにと思ってしまったが綺麗だったので言わないでおいた。


そして会場に向かうまで色々な話をした。

中学の思い出や第一印象など、会場まで少し遠いのにそんなこと感じず会場についた。

まだ花火が始まるには早くみんな屋台を見て回っていた。

僕は場所取りのため荷物などを置いていた。


花火大会が始まると最初みんな一緒に見ていたのに気付けば1人取り残されていた。

そんなことも構わず花火に夢中になっていた。

花火は好きだ。

打ち上がるまでのドキドキ、弾けた時の火花は花のようにそして一瞬で散っていく儚さ。

風情でしかなかった。


そろそろ花火も最後になってしまった。

結局最後まで1人かと思っていたらそんなことも無いらしく。

1人戻ってきた。


「ずっとここにいたんだ。みんな何してんだろって話してたよ。」


と戻ってきたそいつ、遥がそう言ってきた。


「みんないないのに僕までいなくなったら帰ってきた時どうすんだよ。」


そう言い返した。

そして遥は僕の隣にすわり最後の花火を一緒に見た。


「花火綺麗だよね。」


そんなことを言い出した遥

僕は正直その時花火を見ていなかった。

花火を子供のように目を輝かせながら見ていた遥の横顔を見ていた。

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