それでも生きてる。きれい事だ。
sky
幼い記憶
これは、私の昔の記憶。
私が不登校だった小学3年生のころの記憶。
「ねぇ・・・」
「おきて・・・」
「ねぇ・・・」
「・・・うぅん・・・」
「起きてるよ。おはよう」
「おはようじゃないわよ。もう午後2時よ。」
「いくら何でも遅すぎよ。
どうかしたの?」
「うん。ちょっと考え事してた。」
「考え事って、何考えてたの?」
「生きるって何か。」
「私みたいなのでも生きてるって、いえるのか。」
「・・・私も何度か考えたことがあるよ。」
「私はね、生きるって、寝たり、ご飯を食べたりゲームをしたり、勉強をしたり、
遊んだり、誰かを好きでいたり、逆に嫌ったり。
そういう、日々が生きるってことだと思うよ。」
「結局生きてる。・・・
何があっても生きてる。・・・
死にたくても死ねずに、死なずに生きてる。」
どこか遠くを見るような目で母は私に言った。
私はその頃きれい事だな。と思った。
そして、そうだといいと思った。
だけど今は、やっぱり生きるとは、母と同じようなことだと思う。
小学生の時、不登校だった。
特に理由があったわけじゃない。
だけど登校するといつも休んでいた理由を聞かれた。
何回も、何回も。いろいろな人に。
生きづらくて。生きづらくて。
何回も休もうとした。
何回も自殺しようとした。
でも、不登校に戻りたくなくて。
友情関係も恋愛関係も、うまくいかなかった。
それでも生きている。
今では不登校もいい経験だったと思う。
きれい事だ。
でも、私は今生きている。広く、狭く、美しく、醜いこの世界を。
それでも生きてる。きれい事だ。 sky @sky0201
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます