AI転校生

秘密

普通の学校。

普通の家々。

特に人口が多いってわけもなく、少なくもない、ここは、どこにでもありそうな普通の町だ。

そんなごく普通の町にも、たまには不思議なことが起こる。

今回は、そんな普通の学校で起こった不思議な事件について、語ってみようと思う。

キーンコーンカーンコーン！

チャイムの音が耳の中で鳴り響いた。

そして、ガラガラ！という荒々しい音を立てながら担任の福田先生が入ってきた。福田先生は、茶髪でいつも服にジャラジャラとアクセサリーをつけて入ってくる。「今日は転校生が来たんだ！みんな華やかにお出迎えしてやれえ！」

先生の太い声が教室中に鳴り響いた。

すると、カラカラ、と優しく戸を開ける音が聞こえた。

そして、入ってきたのは、とても優しそうな顔をした女の子だった。

「皆さん、初めまして！私は東京からきた林美奈と言います。

好きな食べ物はグラタンです。

皆さんのことはまだよくわかりませんが、優しく接してくれたら嬉しいです。

どうかよろしくお願いします。」きれいな声で挨拶をして、教室の一番端っこに座った美奈は今日一日中ずっと存在感がすごかった。みんなも授業中しゅっちゅう美奈のことを見ていた。

そして、１、２日も経たない間に、美奈はクラスの人気者になっていた。

美奈は勉強も運動もクラス１で、おまけに容姿も性格もいい、みんなが憧れる存在だ。

しかし、ある日美奈はこの学校に入って初めて、「いやだ」という言葉を口にした。

それは、体育のプール学習だった。

美奈はなぜかとても水を嫌っていて、水を触ることさえも怖がるのだ。

みんな、美奈を心配している。

「みんな心配しすぎだよ〜。私なんて気にしなくていいから。」明るい声でみんなを安心づけようとしている美奈の目には、輝きがなかった。

どうしてあのパーフェクト少女美奈が水を嫌うのか、みんな、不思議でたまらなかった。