運命という巡り合わせ

「はあぁ〜」


朝起きてとりあえずため息だけついておく。

どうせ今日学校に行ったら俺が静華と別れた事が話題に上がっているだろう。憂鬱だ


「……いただきます」


適当に目玉焼きと食パン、それに牛乳を付け合せに置き食べる。

味気ない食事が嫌になりそうだ。


そして、誰もいない家に


「行ってきます」


といい家を出た。


いつもと変わらないはずの景色が色褪せて見えるのは、俺の気分の問題なのか、それとも……

考えるのも嫌になる。





教室に着くと、やはりというか俺も見て何がごそごそとしている。

そんな中、俺に話しかけるやつが1人


「よぉ、振られた親友どの」


「うるせぇ……好きで振られたんじゃねぇんだわ」


こいつは八重樫理樹やえがしりきという俺の親友だ。


「お前振られたのめっちゃ話題になってるだろ?広めたの伊藤さんだからな。」


いや〜知ってるわ。あいつはそういう奴だから。


「別にいいが。どうせ時間の問題だったし」

「お前ってホントに突き放したら気にしないよな。」


「だって実際もう別れたし、どうでもいいだろ。

それに、マイナスの印象を付けてくるやつの味方しても意味ないだろうしな。」


こんなどうでもいいような会話をしていると、放送で、


ピンポンパンポ-ン


『基宮一斗さん基宮一斗さん。至急会議室まで来てください。』


「なんだ、クラスメイト次は先生か?」


とにやにやした顔だ聞いてくる理樹にはとりあえずデコピンをしておして、会議室に向かった。




扉を3回ほどノックをして扉を開けると、そこには


「こ、こんにちは一斗くん。」


そこに居たのは学年1の美女の月嶋璃奏が居た。

ロングな髪が印象的で誰にでも優しく、小柄なのが特徴だ。


「どうして、ここに月嶋さんが?」


「え〜っと……ちょっとね」


そんな感じで濁してくる。

俺は不安に思いつつも、しばらく待った。

すると彼女が口を開いた。


「え〜っと……一斗くん?今〜彼女って居る?」


恥じらいながら聞いてくる彼女は、なんと言うか美しかった。


「居ないかな、最近別れたんだ。」

「あっ……そうなんだ、ごめん……」


声色は微塵も悲しんでないような気がするが、悲しんでいるらしい。


「それならさ……私と付き合って欲しいな……

いや…私と付き合ってください」


時が止まるような感覚に陥った。

恋に落ちるともまた違う。そんな感覚。

俺は驚きながらも、きちんと答えるようにした。


「え〜っと…ちょっと考えさせて。俺もわかれたばっかりだから。」


俺にも少なからず恐怖というものがある。


それに、勢いでOKを出してなにか起きても、後悔しきれない。

すると彼女は少し悲しそうな、納得してそうな顔をして


「……ん。分かった。いい返事待ってるね」


にへっ、と笑い舌をペロッと出して去っていった。


可愛すぎやしませんかね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る