遮光と被覆、傘の足下。
正解ではなく
偽薬はずいぶんの作用を引き倒す
その日の朝に
ひとがたをのこした版画の川があり
華麗なキャンバスに塗り潰した
透明なマスカラで見開かれた扉の対岸へ
ゴーストは愉悦に浸るようで
からだを熔かしている、
今時
わたしをかんがえている
暮れ泥む道と泥濘に中り
くだらねえ言い訳を零しながら
苦虫だったら しょうがないかと摘んで
いつかの老人を生(な)せるような
曼殊沙華が咲き乱れているから
ともども、わらいとばしてしまえばいい
長靴と
雨傘と
戦火を
にじんだイロの包帯で覆って
取り分けたチョコレートと夢見乍ら
まわれ、
さして、
かざして、
濡れているのか手探りで、
足元は深淵の径でも
炭を剥いて熾して
弾数を指折り数えて祝う
風は泣いていたけれど
ひどく頭痛を呼び覚ます はなひらにして
おちおち眠りにつけそうにない
背に刺さった懐剣をどいてくれないか
溢れ出た泪の差分を
探して出してもらえないだろうか
それとなく手を取って 穴という孔に詰めた
縊死と陰茎と敬礼するどうせ退廃美
種も仕掛けもねえ眺望にいまにして想えば
千の朝と夜を携えて或る
22/4/10 19:55
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