第3話

「パラレルワールドって知ってる」



 一週間後に来た返事はその一言で終わっていた。


「パラレルワールド?」



 突然白いページに黒い文字が浮かび上がる



「うわ」



「それは、誰も見たことの無い世界なんだ、その場所に行くと、帰って来れないからね」



 つぎつぎとかかれる文字に驚いていると、咳が止まらなくなった。息も苦しい。ナースコール、届かない、間に合わない。


僕はもう……



「嫌だ、死にたくない」


『無理だよ、そっちの世界の君は、もう死ぬ』


「なんで? 嫌だ……」


『生きていれば辛いことや悲しいことが一杯あるんだよ、ならいっそ死んで楽になってもいいんじゃない?』


「そんなこと、どうでもいい、お父さんとお母さんが悲しむのは嫌だ」


『君は自分の――――』




 意識がなくなった。



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