　答えであります。

　彼は我々と年の近い少年。

　そんな少年の親は、いわゆる転売屋だったのであります。

　大人気が見込める商品を事前に買いあさってはヤフオクやメルカリなどで高値で売りつける、そんな人間でありました。

　つまり、彼がそのおもちゃ屋に行ったのはまったく親の指示であり、１つぐらいなら怪しまれないだろうと言う親からの指示だったのであります。

　でありますから、買う事ができないと言われたその時、彼は心底から安堵したのであります。

「それで通報先は」

　それについてはご想像にお任せするであります。110番か、友人か、それとも……。

「しかし転売屋は許すまじだな」

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