KAC日記

葵 悠静

本編

1回 二刀流の甚

今年も始まった。

KACの特設ページを開き、お題を見た時にまず感じたことだ。

このKAC企画開催期間が実にいやらしい。

皆が皆カクヨムコンテストで燃え尽き症候群に陥っていて、このままサボってると(もちろんサボっていない人もいるのは重々承知だが)1年くらい書かなくなってしまうかもしれない。

そんな杞憂を吹き飛ばすほどの1ヶ月の長期開催。

皆勤賞を目指すのであれば、1週間に2回はネタを強制的に考えさせられる。

頭を強制的に切り替えさせられる。

それが私がKACに抱いている印象だ。

そして一回目のお題は「二刀流」

お題としては無難とも絶妙に難しいと言える絶妙なバランスだろう。

 一番始めに考えたのはやはりバトルものだ。

 しかし私の筆力ではバトルを絡めつつ一つのオチまで書ききるのに4000文字を超過するであろうことは容易に想像できた。

 ファンタジーものも同様に却下。

 しかしそれ以外で思いつかない。

 仕事中、帰宅中ネタを考えながらサボっていた脳みそを徐々に作品作りへとシフトしていく。

 たどり着いた先が『箸』と『レンゲ』を二刀流と見立てた一人の男の話だった。

 我ながらうまく発想の転換ができたと言えるだろう。



2回 推し活とは

 2回目のお題は「推し活」

 このお題を見た時、私はどうしようかと思った。

 至極個人的なことではあるが、今回のカクヨムコンでテーマにしたのがまさしく『推し』についてだった。

 つまり推しに関するネタは出し尽くしてしまっている。

 苦肉の策ではあるが私は私自身が思う『エッセイ』について書き連ねることにした。


3回 アンドロイドは虫の知らせを感じるか

 3回目のお題は「第六感」

 このお題もよく小説のテーマになるといってもいい定番のお題だろう。

 このお題からネタは割とすんなりと思い浮かべることができた。

 しかしそのネタの内容にどこか既視感がある。

 その既視感が何なのか確かめるべく半信半疑で自分が登校した過去作を確認すると、まさかの去年のKACで投稿した内容とキャラクターから内容まで丸々かぶっていた。

 人の思考は一年程度では進化しないと自分自身に突き付けられたような気がした。

 まあ結局キャラクターはそのままで内容を変えて、投稿した。

 もしかしたら短編においてキャラクターの使いまわしというのは禁じ手なのかもしれないが、内容としては満足いくものが書けたため良しとしよう。


4回 お笑い死人

 4回目のお題は「お笑い/コメディ」

 ……お笑いはまだわかる。

 しかしコメディはお題というよりはジャンルなのでは……?

 という具合に戸惑いはしたもののネタはすんなりと出てきた。

 いつもラブコメを書いているが、キャラクターが動いた結果コメディになっている場合が多く、コメディであることを意識しながらシリアスを描くのはなかなかに新鮮だった。


5回 88歳の野望

 5回目のお題は「88歳」

 ……大変ご高齢で長生きしてらしてよいことですね。

 最初は88歳が若い世代に入る近未来SF的なことを書こうとしたが、知識が足りず断念。

 そして気づけば老夫婦ラブコメに成り代わっていた。

 面白いからよし。

 

6回 鶏皮(塩)求めて何千里

 6回目のお題は「焼き鳥が出てくる物語」

 今思えば第4回、第5回の私の脳みそは絶好調だったのだろう。

 お題に戸惑いつつもそれなりにちゃんとオチがついた話を作れていたのだから。

 今回のお題で真っ先に思い浮かんだのは、焼き鳥を食べてバフ強化される異世界転生ものだった。

(なお主人公は焼き鳥を食べている時に転んで串がのどに刺さり死亡した模様)

 しかし一回目と同じく文字数超過が容易に想像できたため、却下。 

 ネタに詰まった私はホットケーキを焼きながら、焼き鳥のエッセイを書いた。

 焼き鳥のエッセイって何?


7回 実家で飼っていた家族の話

 7回目のお題は「出会いと別れ」

 ここ2回くらいはふざけてるのかと思うお題だったのに、突然まともで真面目なお題で、逆に戸惑ってしまった。

このお題を見て何故か実家で飼っていたペットのことを思い出したので、ほっこりしながら書き上げました。

仕事中だったけど。


8回 私のためのヒーロー

8回目のお題は「私だけのヒーロー」

お題を見た瞬間ヤンデレしか思い浮かびませんでした。

結果今回書いたKAC作品の中で一番好きな話になりました。

久しぶりに病んでる系話を書いたけど、やっぱり楽しいですね、狂ってるヒロインは。


9回 記載不可

9回目のお題は「猫の手を借りた結果」

????????

大喜利かと思いました。

ほんとはまともな話も書いてたんですけど、思いついたからにはどうしてもやりたくて、やってしまいました。

そしたら思いのほか星がついたので「これでいっか」ってなりました。

この時は既に脳死状態に近かった。


10回 真夜中のラーメン

10回目のお題は「真夜中」

ここに来てシンプルだからこそ何も思いつかない。

本当にびっくりするくらい思考停止してました。

結果飯テロテーマで読者の方も、自分と同じ道に引きずりこんでやろうという悪魔の囁きに従いました。

やっぱり文字で味覚を表現するのは難しいですね。


11回 KAC日記

11回目のお題は「日記」

現在も前回と変わらず思考停止状態で何も思いつきません。

だから今年は色々と思うことがあったKACに対して恨みやら感謝をぶつけるべく、こういった形になりました。


3月は考え学び感じる1ヶ月になりました。

KACに追われた1ヶ月でした。

何度もやめてもいいんじゃないかと思いました。

でもこうして2年連続一応皆勤できて、達成感はあります。

代償として脳みそを失いましたが、些細な問題です。

もうひとつの代償としてはKAC以外の自作品に一切手をつけることが出来ませんでした。


……来年のKAC参加はよく考えて参加します。

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KAC日記 葵 悠静 @goryu36

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