『世界は3分をループする』
pocket12 / ポケット12
第1話 どうやら世界はループしているらしい
様々な状況を
まったく嫌になる。
一体いつから世界はこんな
そもそもどうして僕がこんな目に遭わなければいけないのか不思議だった。一介の高校生に過ぎない僕に神様はじつに面倒な試練を与えたものである。あるいは与えるべき人を間違えたのではないだろうか。きっとそうに違いない。やはり神が全能であるというのはフェイクニュースだったようだ。
しかしまあ、巻き込まれたことはもうしょうがない。いくら世界の不合理さを嘆いたところで結果は変わらないし、また有益な時間の使い方ではない。今は幸いそうではないが、基本的に時間は有限なモノなのだ。たとえ1秒たりとも無駄にしてはいけない。
僕はとりあえず様々なことを考えることにした。来週に迫った中間試験について、重力が時間に与える影響について、ここから脱出するための方法などなど……。やはり多くはループのことで占められた。
差し当たって問題なのが、ループの始点から終点までの時間がたったの3分しかないということだ。
いったい3分で何ができるだろうと僕は考えた。短編小説を読んで意外な結末を迎えるまでにも5分は必要だし、材料をあらかじめ用意していなければ料理もできない。精々がカップラーメンを作れるくらいだ。
しかし3分では
まったく
次に問題なのが、いま僕がいるのは学校で、5時限めの授業中だということだ。
これが自室や繁華街の中でのことならまだ良かったが、周囲に何の店もない田舎の学校で、しかも授業中というのは、ループに巻き込まれる上で考えうる限り最悪の場所だった。不意に何か食べたいと思ってもコンビニにチョコレートを買いに行くことさえできない。
あるいは三人寄れば
どうやら僕以外、教室内の誰もこの現象に気が付いていないみたいなのである。
僕がループから戻ってくるたびに教師は同じ授業を
授業を聞く気のない不真面目な生徒たちにしても、同じ行動を取り続けている。午後1時11分13秒になると前の席の髙木くんはスラックスのポケットからスマホを取り出すし、午後1時12分52秒にはそれを注意しようとした教師が
隣の席の
何の変化もない3分間の繰り返し。
退屈だった。とても退屈だった。
だから僕は様々なことを実験してみることにした。
いちばん初めに
そのために僕は教室を抜け出してトイレに行くことにした。突然席を立った僕をクラスメイトたちが
トイレに着いた僕は鏡の前に立つと携帯していた
戻される感覚は、なんど体験しても不思議な心地だった。夢から
それから僕は先のループで髭を剃ったことを思い出して顎に触れてみた。手にじょりじょりとした触感があった。どうやらこの3分間に起こったことはリセット、なかったことにされるらしかった。
そうやってループ
検証作業が
今は267回目のループを迎えたところだった。僕の主観時間にして
僕の目に
ふと、僕は気がついた。
どうやら神の
教室前方からチョークの
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