書斎と黒服の男
蛾次郎
第1話 書斎に侵入した謎の男
深夜1時。総一朗は書斎でコラムの執筆をしていた。
その書斎は、「廃業後、在庫を放置したままの小狭い古本屋」のように、少しでも動くと資料が崩れ落ちて総一朗が埋まってしまうのでは?と不安になる程、山積みの資料で溢れていた。
しかし総一朗はどこに何の資料があるのか隅から隅まで全て完璧に把握しているだけでなく、資料が崩れない動き方も完全に習得しているのである。
執筆から2時間が経過した頃、総一朗は一旦筆を止め、安全保障関連の資料の上に傾いた状態で置かれたサンドイッチとコーヒーを食し一息ついた。
食後、執筆を再開しようとしたが、うつらうつらと睡魔が襲い、いつのまにか資料と資料の狭間にある小さなデスクにうつ伏せて寝落ちしてしまった。
総一朗がいびきをかいて爆睡した直後、総一朗の背後に謎の男が立っていた。
男は黒いハットを深く被り、黒いサングラス、黒いスーツ、黒いマスクという全てが黒づくめの格好をしていた。
何やら男はUFOや宇宙人関連の資料を探しているようだ。
20分ほど経った頃、男は目的の資料をみつけたが、書斎を出ようとした際、他の資料が肘に触れてバサバサバサッと崩れ落ちた。
その音で目を覚ました総一朗は、男の存在に気づき、即座に話しかけた。
「君ねえ、こないだ私に埋めたマイクロチップどこに埋めたか知ってる?そこ敢えて聞きたい!」
(完)
書斎と黒服の男 蛾次郎 @daisuke-m
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます