実録! 遺産譲渡詐欺に遭った!!

アレン

第1話 ある日

 これは筆者が2021年の年末に経験した事実に基づいて書いています。


 やり取りしたメッセージは原文に基づいて再現していますが、個人等を特定できるような文言、あるいは筆者がそのまま記載しないほうが良いと考えた部分については削除又は編集を加えています。


 この小説で、SNS上で横行する詐欺被害を少しでも防ぐことができれば幸いです。





 私は花村俊一。66歳の年金生活を送る爺である。

 家族は高齢の父、私と同年の妻、息子夫婦、そして愛すべきフユミ(柴犬)だ。


 私の趣味はネットゲームと家庭菜園。

 ネットゲームはSteamのTotal War WARHAMMERをプレイしている。

 家庭菜園は思いつくままに栽培するというスタンスだが、今季はサツマイモの栽培が大成功して干芋作りにはまっている。


 できればネットゲームかサツマイモをテーマにした実録小説を書きたかったのだが、ひょんな事からSNSを利用した詐欺をテーマに小説を書くことにした。





 2021年、師走に近いある日。


 昼食を済ませてマッタリしながら携帯電話をいじっていると、Facebookに知らないご婦人から友達申請がありました。

 実はこのご婦人、数週間前にも私に友達申請をしてきた人物だったのです。

 特にメッセージは無く、申請だけなのですが……。


 「うん、誰だ? 友里恵 Natua……」

 「確かこの人って、数週間前に私と誕生年が一緒だから友達にならないかって言ってきた人だよな? 却下したけど」

 「プロフィールを見るとオーストラリアのキャンベラ在住で、高知県出身、ご主人とは死別か」

 「日本を離れ、ご主人とも死別して日本の友達を探しているのかな?」

 「一度は友達申請を却下したけど、友達になって話しの相手でもしてあげようかな。しかし変わった苗字だなNatua?」


 ということでポチッ!と友達承認をしてメッセージを送っておきました。


   ****************************************************

   * 友達申請ありがとうございます。

   * これもご縁と思って、申請をお受けいたしました。

   * 宜しくお願いします。

   ****************************************************


 さて、このフェイスブックへの友達申請を契機に、66年生きてきた爺が人生で初めての詐欺事件に巻き込まれて行きます。

 不幸にして? いや幸いにしてかな?

 暇を持て余し詮索好きな爺と、あの手この手でメッセージを追ってくる謎のご婦人との訳の分からない、冗談のような遣り取りが始まります。




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