【コメディ】狸は果たして化けるのか
昨日お爺ちゃんが酒を飲みながら話していたが、昔はよくタヌキが化けて人間を騙していたらしい。
化けるってどんな感じなんだろう。見てみたい。
そう考えた僕は山でタヌキを一匹捕まえると、首輪をつけて犬小屋に繋いだ。
「一度化けてみせてよ。そうしたら帰してあげるから」
そう伝えると、その日から僕はわくわくしながらタヌキを観察を始めた。
しかし、一日目。タヌキは小屋の周りをうろうろするだけで、化ける様子はない。
二日目も、三日目も、何日経っても同じだった。
「おい、いつになったら化けるんだよ」
僕は文句を言った。
するとタヌキが口を開いた。
「お前、まだ気付いてないのか」
「え?」
「タヌキが化けるなんて迷信に決まってるだろ。お前、俺じゃなく爺ちゃんに騙されたんだよ」
なんだそうだったのか。タヌキ本人が言うならそうなのだろう。
僕はタヌキを山へ返してやった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます