貴方となら……手を繋いでいきたい。
たから聖
第1話 出逢い。
町田える。18歳……。
彼氏いない歴が数年間。
元彼は、暴力を振るう人で……
私は歪んだ愛を受け止めていた。
そう、そんな不幸話……いくら
でもあるでしょう?
そうなんだけど。元彼と別れる
時は……親が、出てくれた。
私のお腹の中には、二人の
赤ちゃんの命が芽生えてた。
『こんな事されてるのに、
何で?別れないの……?!』
そう。私は、為すがままなの。
暴力を振るった後は、必ず
私を抱いてくれるから。
元彼は愛をささやく……。
彼のテクニックで、何度も何度も
果てたわ。
赤ちゃんは、産みたかった。
だけど、大人達が反対したわ。
中絶手術を受ける日にちを
決めて、元彼は……去って行ったわ。
去って行ったと、言うより
逃げた
元彼への、愛にも似つかわしい
情だけで、、、、、。
私は、赤ちゃんをおろしたわ。
お医者さまは、私に言う。
『今後、赤ちゃんが埋めない
かも知れない危険な手術だから。
君は……人の命をなんだと
思ってるんだ。酷い。』
お医者さまの、言うことは……
当たってる。私は……
人殺しだ
帰り道……元彼への情は失って
いた。赤ちゃんと元彼を
同時に失った。
私の人生……。もうバチが当たるよね?
赤ちゃんに鳴いて詫びても
赤ちゃんの姿はなかった。
部屋に入ると……父親と母親に
監禁状態にされたわ。
信用が……なくなっちゃった。
私は……何とかして外に出ようとした。
『コンビニ行ってくる。』
『買ってくるから、何か言いなさい。』
母親が冷たく言葉を投げかける。
部屋の中で私は……後悔をして
いた。元彼との付き合い方が
そもそも間違っていたのか?
ストップ出来たことも、たくさんある。
中出しだって……彼に
嫌われたくなかったから。
元彼への憎悪が……私の自由を
奪われる度に、膨れ上がる。
(私は……このまま?何も出来ないの?そんなの嫌。こんなんで
人生……終わりたくない!)
元彼との想い出のアクセサリーを
ゴミ箱へ、思いきり
ぶち込んだ。二人の写真も
ビリビリに破いて、
ガスコンロで焼こうとしたら
父親に止められたわ。
『お父さん、、、私……このままで……終わりたくない。』
『ごめんなさい。』
何度も何度も、お父さんお母さんに、頭を下げた……
しばらくすると、外出許可が
降りた。
私は……1ヶ月振りの自由を
楽しんだ。
赤ちゃんをおろした事で
学校は中退して……時間ばかりが
過ぎて行ったわ。
貴方に逢うまで……。
貴方に逢うまで……
私は……鳥かごに居るみたいに。
『……あ。!!?……』
『ん?!これ君の?!……』
ふと交わした会話が……
緊張やらドキドキして貴方と
ふと、出逢ったわ。
その人に、名前を聞くと……
彼はまぶしい位の笑顔を
私に見せた。
『俺は、、、大橋弓弦。君は?』
『…………町田えるです。』
『えるちゃんね?……いつも
何してるの?』
『…………別に、何も……。』
弓弦くんは、暖かな微笑みを
私に向ける。
私は……弓弦くんに、次の約束
をしたかった。
だけど。私は……人殺しです。
心の底から、笑えない私は……
弓弦くんに相応しいだろうか?
弓弦くんは空を見上げていた。
また……逢える?
私は……不意にその言葉に
ときめきを抱いた……。
私が弓弦くんの方を向くと
弓弦くんは、どこか懐かしい
笑顔を……
私に見せていた……。
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