第21話 ショートショートを書いたよv

 ヨンバン、これどお? どうかな?


「いいと思った」


 だしょ? わたくしこれがおもしろいんだーv


「おもしろいって言うか、ダークファンタジーだよ」


 え? これはSFだよ? 星新一さんみたいな。


「紛争地帯をぬけたのかな」


 じき、抜ける。


「だめだ、こういう話。ダークファンタジーにして」


 え、と? ベルセルクみたいな?


「うん」


 あれは大河でしょうよ。


「うん。馬鹿に自信がないな」


 いや、ショートショートだから、こんな短時間で書けたのであって、ね?


「いや、ほんだったらちゃんとさあ……真面目なヤツ書いたら?」


 真面目に書いたんだよ!?!?


「いやだって、おもしろいから」


 おもしろく書いたつもり!


「じゃあおもしろい。これだけしかない」


 ダメかあ。


「ダメっていうか。ナンセンス、低い」


 低レベルってこと?


「うん。内気な青年が書いたのかな」


 こんな作者が書きましたーv


「そうだよ。いい年して。ダークファンタジーを書け!」


 ヨンバンはダークファンタジーが好きってこと?


「だから、そう言ってるじゃん」


 先に言ったけどこれはSF。


「どっか行けよ! マジで」


 なんで? フィンディルさんの企画に出す作品は五千文字以下に限る、書下ろしなんだよ。


 ダークファンタジーのショートショートなんて読んだことも聞いたこともないよ。


「でも、さあ。ダークファンタジーが読みたいの」


 んー、じゃあSF読めるナンバーズを紹介してくれる?


「んー、でも。いいけど、なかなかやるわよ? もう一度聞くけど、ダークファンタジー書かないの?」


 五千文字以下で書けないよー。


「ちぇ、どっちらけでいいじゃん。未熟者めー」


 えー? ヨンバンは好みがうるさいなあ。


「そんなもんなんだよ。しょせん、読者なんて。食える漫画描け!」


 ショートショートの小説だって言ってるじゃん!


「ちぇ」


 だいたい、先にSFって言っておいたのに、なんでダークファンタジーの話になったの? どこからきた話なの?


「というわけで」


 わかるか💢


「とりあえず、作り話をして。てめーの話はつまんないから」


 このSFは渾身の作り話だよ!?!?


「つまり、渾身の一作?」


 うん、おもしろく書いた。


「つまり? おもしろく書けたから? つまり?」


 笑ってほしい。


「うん、まあいいだろう。どっちにしろ、えーきちさんがいろいろ言ってくれるし」


 しゅーん;;

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